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岡田彰布の「はっきり言うて」は本当に“はっきり言うてる”のか? 全62発言ガチ検証…「阪神ドラフト1位」に手厳しい“深すぎる”真意 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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posted2023/10/31 11:00

岡田彰布の「はっきり言うて」は本当に“はっきり言うてる”のか? 全62発言ガチ検証…「阪神ドラフト1位」に手厳しい“深すぎる”真意<Number Web> photograph by JIJI PRESS

岡田彰布の口癖「はっきり言うて」を分析してみた

 佐藤輝を褒めた「はっきり言うて」は5月12日のDeNA戦後のみ。

 他の6回は叱咤と共に使っていた。秋季キャンプでは「オフが大事やな。はっきり言うて」と鍛錬を促し、春季キャンプの最終日には「練習ではまだちょっとチャランポランに打っとるけどな、はっきり言うて(笑)」と真剣な姿勢を望んだ。3試合連続ノーヒットでスタメン落ちし、代打で凡退した6月13日のオリックス戦後には「ゲームの中で、お前、なあ、よくなるいうのは全然、今の見とったらないもんなあ、はっきり言うて」と断じた。前半戦最後の試合で先制3ランを放っても厳しかった。

佐藤輝明を「褒めない」真意

 -佐藤には後半は打って引っ張ってほしい。 
「いやいや、そらお前、そら打てるかどうか、打ってて、今そんな期待できひんよ、今のバッティングの調子で。絶対良くなるていう保証をオレはよう言わんよ、はっきり言うて」 

 8月15日の広島戦でエラーをすると、「普通のプレーやってたらなあ、2点3点防げてるよ、はっきり言うて」と酷評された。8月23日の中日戦で14号ソロを放っても、褒めはしなかった。 

 -ノイジーも上がってきそうか。
「どうやろう。分からん。分からんとみてる。5番6番は。まあ、あの辺は打ったら、そらあ大量点になるよ。はっきり言うて」(※この日は5番・ノイジー、6番・佐藤輝) 

 岡田監督は6月下旬に佐藤輝を二軍に落とした。ファンから非難の声も上がったが、優勝手記で理由を明かした。

〈あれは打つ打たんが理由じゃない。先発を外した6月25日のDeNAの試合中、ロッカーで座っとったんよ。これはアカンと思うて、26日に抹消した。
 今では練習姿勢とか少しずつやけど変わってきたかな。8月29日のDeNA戦で、佐藤輝が同点の八回に二塁打を打った後に代走を出した。その後の姿を見てたんやけど、ベンチの前の方に行って応援してたな。〉(デイリースポーツonline /2023年9月15日配信 ※実際は6月25日に抹消されており、試合中にロッカーで座っていたのは24日と思われる)

ドラフト1位・森下への“使い分け”

「はっきり言うて使用ランキング」の個人2位は、森下翔太だった。期待のドラフト1位ルーキーへの「はっきり言うて」を並べると、時期や質問内容によって使用方法を変えて成長の手助けをしているように思える。潜在能力はあるものの、佐藤輝と違って実績がないため、称賛と叱咤を使い分けているのだ。

 まず、春季キャンプの2月19日には「打つもんは使わなしょうがないやろ、はっきり言うて」と言葉は荒っぽいものの褒めている。4月8日のヤクルト戦後には、左腕のピーターズだったら右打者の森下がスタメン予定だったと認め、報道陣に「結果的には休養という位置付け」と聞かれると、「まあ休養というほど、そんな力ないと思うけどね、はっきり言うて、おーん」と過大評価を牽制した。

【次ページ】 「主力に成長」→厳しくなる

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