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大阪桐蔭も横浜も“断った”怪物ドラフト候補…“筋肉がスゴすぎる”東松快征(享栄)は何者?「太ももがまるで競輪選手」「父が元日本王者」 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byKei Nakamura

posted2023/10/26 06:01

大阪桐蔭も横浜も“断った”怪物ドラフト候補…“筋肉がスゴすぎる”東松快征(享栄)は何者?「太ももがまるで競輪選手」「父が元日本王者」<Number Web> photograph by Kei Nakamura

今年のドラフト候補として注目される東松快征(享栄高/18歳)

東松 いちおう、元日本王者ですけど、趣味の範囲でやっていた程度なので。オリンピックにつながるような大会ではなかったと思います。

――お父さんに「重量挙げをやれ」とは言われなかったのですか。

東松 いや、なかったですね。うちの家庭の教えは「とにかく好きなことをやれ」だったので。自分のやりたいことをとことんやらせてくれました。でも、筋肉の質は、遺伝かなと思います。

走り込みよりウエイト?

――千葉ロッテの澤村拓一投手は、スクワットもデッドリフトも250キロくらいできるらしいですよ。

東松 やばいですね。あれはほんと、やばいです。僕もスクワットはもう少し上げられるようになると思うんですけど、あそこまでやったら体が壊れてしまうかも。そっちの方が心配です。

――澤村投手は走り込み否定派なんですよね。走って下半身を鍛えるという考えは古い、と。東松君も同じ考えですか。

東松 走り込みよりは、ウエイトですね。強度の高い筋トレで、筋肥大を促すっていう感じです。今の時代は、そっちの方が合っていると教えてもらってきたので。高校が決まったとき、先に享栄に入学していた中学時代の先輩に「ランニングはぜんぜんないから安心しろ」って言われて、ホッとしたんです。中学時代のチームはめちゃめちゃ走らされたんですけど、長距離がすごく嫌いで。享栄は1時間くらい走らされたり、何十本も走らされたりはしない。走るときでも、例えば、ポール間走を5本やって、次に30メートル走10本やるくらいです。

――今、体重は何キロくらいなのですか。

東松 いちばん重いときは92キロあったんですけど、今は90キロです。プロに入るまでに88キロぐらいまで絞りたいなと思っています。入学したときは81キロくらいで、2年の冬にトレーニングを強化して、9キロぐらいアップしたんです。

――なぜ、そこまで急に体を大きくしようとしたのですか。

東松 探究心ですね。球速を上げたいと思って取り組んだんですけど、最高球速は2年秋にマークした152キロのままでした。ただ、すごい軽い出力でも速いボールが投げられるようになりましたし、(球速の)アベレージも上がりました。

全国は未経験の異色キャリア

――小学校1年生から野球を始めたそうですが、最初から楽しくて仕方ないという感じだったのですか。

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