もうひとつ、ディフェンスでもひとつ上のレベルのプレーをするという目標もある。ヘッドコーチのダービン・ハムに、そう宣言もしたのだという。

　ハムHCは言う。

「ルイはプレーの幅をさらに広げようとしている。特にディフェンスに集中している。彼は本当にディフェンス面で次のレベルに行きたいと思っているんだ。実際に私に、『ディフェンスで次のレベルに行きたい』と言ってきた」

　そしてチームとしての目標はNBA優勝だ。昨季はNBAファイナルを前にしてカンファレンスファイナルで敗退しただけに、チーム全員が優勝を目標にオフを過ごした。八村にとってはNBA優勝を目標として開幕を迎えるのは初めてのことで、それだけモチベーションが上がるという。

「正直言ってウィザーズのときは、レギュラーシーズンが始まるときに『優勝しよう』とやっていなかった。それより先に『プレイオフに行こう』とやっていたので。優勝（候補の）チームに入ったことによって、このシーズンに対してのモチベーションも違いますし、シーズンが長くなるっていうことで（それを見越して）、自分としてもメンタル的にも、身体的にも、この夏に準備できたと思う」

八村が感じた超一流の“バスケ愛”

　ところでこの夏、共に過ごした間に、レブロンが38歳まで高いレベルを維持してきた秘訣を垣間見ることはできたのだろうか。そう聞くと、八村はこう言った。

「もちろん何個かあると思うんですけど、まず、もう本当バスケが好きなんだなっていうのも見ててわかります。ずっと楽しんでるなってことは見れるので、そこが大事なんじゃないかなと思いました」

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「楽しむ」ことは、八村が日本にいるときから信条としてきたことでもある。明成高校の恩師で、6月に病気で亡くなった故佐藤久夫監督からは「一生懸命を楽しむ」ということを教わった。そしてこの夏、八村はレブロンから多くを吸収して少しでも追いつこうと、楽しみながら、一生懸命、シーズンに向けて準備をしてきた。

　その成果を見せる新シーズンは、10月24日（日本時間25日）に開幕する。