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ジーコ70歳「ミトマ、クボ、カマダ、エンドウは素晴らしい」絶賛の一方で…06年W杯惨敗後「フィジカルが最大の課題」と語った真意 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byHayato Fujii/Mutsu Kawamori

posted2023/09/23 17:02

ジーコ70歳「ミトマ、クボ、カマダ、エンドウは素晴らしい」絶賛の一方で…06年W杯惨敗後「フィジカルが最大の課題」と語った真意<Number Web> photograph by Hayato Fujii/Mutsu Kawamori

ジーコがいま語る、日本代表への思いとは

「リーグの運営面は、文句の付けようがない。各クラブにおける練習環境も、ほぼ十分だろう。後は、もっと優れた選手、監督、審判員をもっと多く育むこと。これに尽きると思う」

――日本代表については、どう考えていますか?

「アジアでは常に最強レベルにあり、W杯の常連となり、のみならず2010年、2018年、2022年のW杯で好成績を残した。とりわけ、2022年大会でドイツ、スペインという世界トップレベルの強豪を倒したことは世界を驚かせた。

 しかし、今後も地に足をつけて選手を育成し、Jリーグの競争力を高め、選手たちが国際経験を積んでさらに成長しなければならない。それができれば、W杯ベスト8と言わず、もっと高いポジションに到達できる」

彼ら以外にも、日本には優れたタレントが大勢いる

――FW三笘薫はブライトン、FW久保建英がレアル・ソシエダで活躍しており、さらにMF鎌田大地がフランクフルトからラツィオ、MF遠藤航がシュトゥットガルトからリバプールへと移籍しました。

「ミトマの破壊的なドリブル、クボの柔らかいテクニック、カマダのアタッカーとしての総合的な能力、エンドウの守備力は素晴らしい。彼ら以外にも、日本には優れたタレントが大勢いる。Jリーグで、そして欧州でさらに成長を遂げてほしい」

 ◇ ◇ ◇

 残念ながら、日本代表を率いて臨んだ2006年W杯では期待されたような成績を残すことはできなかった。しかし、もしこの男が32年前に日本へ来ていなかったら、そして長年に渡って鹿島アントラーズと日本代表の強化に貢献してくれていなければ、日本のフットボールの進化のスピードは全く違っていたのではないか。

 彼に対し、我々フットボールを愛する日本人はいくら感謝してもしきれないのではないだろうか。

第1回から続く。第4回以降は24日配信予定です>

#4に続く
ガリガリなジーコ少年が「サイボーグ選手」に…「体がみるみる大きくなり、筋肉も」クラブ世界一へと上り詰めた“肉体改造”とは

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