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井上尚弥の“次の標的”タパレスを直撃…圧倒的不利との予想も、なぜそんなに自信がある? 独占取材で感じた“ちょっと不気味”なところ 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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posted2023/09/11 11:00

井上尚弥の“次の標的”タパレスを直撃…圧倒的不利との予想も、なぜそんなに自信がある? 独占取材で感じた“ちょっと不気味”なところ<Number Web> photograph by Daisuke Sugiura

実現が有力視される井上尚弥(30歳)との4団体統一戦へ意欲を語ったマーロン・タパレス(31歳)

 タパレスは2017年4月、大森将平(ウォズ)戦では体重オーバーでWBO世界バンタム級の王座を失った(試合ではKO勝ち)。2019年に岩佐に敗れた頃には、タパレスもここまでかと思われた。ただ、岩佐戦以降、2021年12月に勅使河原弘晶(三迫)を2回KOで下した勝利を含めて4連勝(3KO)。上記の通り、4月には評価が高かったアフマダリエフを2-1の判定で下し、大番狂わせで2階級制覇を達成した。こうして再び快進撃を始めた背景に、本人の言葉通り、陣営の整備があった。

「今では私たちのサポートシステムがあります。おかげで、マーロンはワールドクラスのファイティングマシーンに変貌したのです」

 タパレスを支えるMPプロモーションズのショーン・ギボンズはそう述べ、サンマン・プロモーションズのJC・マナンキルとともに構成するサポート体制に自信を見せている。2021年7月以降、アーネル・フォンテニーヤを新トレーナーに迎えたことも大きかったのだろう。新体制でのタパレスはまだ底を見せていないだけに、井上とのキャリア最大の一戦が実現すれば興味深い。

――今後のスケジュールを話していただけますか?

MT ロサンゼルスからラスベガスに移動し、ベガスでしばらくトレーニングキャンプを継続します。いつまでキャンプを張るかは、試合の日程次第ですね。まだ井上戦の期日がわかりませんが、想定されている通りに決まるとすれば、アメリカで大方のトレーニングを消化し、日本に行くことになるのだと思います。

日本開催に懸念は「まったくありません」

――井上戦は日本での開催になると伝えられています。完全アウェーの戦いになりますが、敵地に赴くことに懸念はありますか?

MT  まったくありません。私の戦績を見ていただければわかると思いますが、これまで(フィリピン、アメリカ、日本、タイ、メキシコと)世界中の様々な場所で戦ってきました。そんな経験を積んできた私が、キャリアのこの時点で敵地での戦いを必要以上に心配したりはしませんよ。

――井上選手という最強の相手とリスクの大きな試合を行う前に、少し力の劣る挑戦者との防衛戦を挟もうとは考えなかったのでしょうか?

MT まったく考えませんでした。私はチャンピオンなのです。王者は最強の相手と戦ってこそ王者。井上こそが世界最高級のファイターであり、アフマダリエフに勝った私は彼と戦うためのチケットを手に入れたのです。迷いなどありませんでした。

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