Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[特別インタビュー]渡邊雄太「代表人生を懸けて戦う」

posted2023/08/24 09:01

 
[特別インタビュー]渡邊雄太「代表人生を懸けて戦う」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

代表チームで唯一のNBAプレーヤーは、大舞台に向け不退転の決意を口にした。その胸の奥に宿る炎は、誰よりも熱い。「失うものは何もない」と語る28歳は、W杯で何を証明しようとしているのか。

 思わず、「本気ですか?」と聞いてしまった。

 すると、渡邊雄太は苦笑しながら「本気です、本気です。そんなホラは吹かないので」と返してきた。

 8月25日から始まるFIBAバスケットボールワールドカップ2023を前に渡邊が繰り返し口にしている、「今大会でパリ五輪の出場権を取れなければ代表を引退する」という発言のことだ。

 疑っていたわけではない。彼ほど自分の言葉に真摯なアスリートはいないし、軽く引退を口にする選手ではないこともわかっている。しかしまだ28歳。しかも日本代表に対しては、人一倍熱い思いで向かい合ってきた彼だけに、この発言は衝撃だった。

 日本が今回のW杯でパリ五輪の出場権を取るためには、大会に出場するアジア6カ国の中で最上位の成績を残さなくてはいけない。4年前の中国W杯で5連敗、2年前の東京五輪で3連敗と、世界の舞台で連敗中の日本代表にとって簡単な目標ではない。

 しかし渡邊は、だからこそ引退を宣言したのだと言う。

「NBAのシーズンが終わって、代表のことをいろいろ考えだすようになって。(今回のW杯に)出ると決めてから、今回勝てなかったらもう最後かなと思い始めました。

 そもそも、オリンピック、W杯を2大会連続で母国開催できる機会はまずないですし、それを自分の年齢的にも結構いいときにやらせてもらっている。(それなのに)自分が中心選手として出ているときに連敗だと、責任を果たせてないのかなって」

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 5180文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

渡邊雄太
フェニックス・サンズ
八村塁
トム・ホーバス
ルイス・スコラ
パウ・ガソル
マルク・ガソル
川真田紘也

バスケットボールの前後の記事

ページトップ