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〈いち早くMVP・沢村賞予想〉パがオリ山本由伸W受賞なら「イチロー+金田正一以来」…阪神独走セで村上頌樹が狙える「野茂英雄以来」の大快挙とは 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byJIJI PRESS(L,C)/Kazuaki Nishiyama(R)

posted2023/08/16 17:39

〈いち早くMVP・沢村賞予想〉パがオリ山本由伸W受賞なら「イチロー+金田正一以来」…阪神独走セで村上頌樹が狙える「野茂英雄以来」の大快挙とは<Number Web> photograph by JIJI PRESS(L,C)/Kazuaki Nishiyama(R)

2023年も抜群の安定感を誇る山本由伸。3年連続MVPならイチロー、同じく沢村賞なら金田正一以来の快挙となる

 すでに沢村賞の基準が現代の投球にそぐわなくなっているので――この指標でははっきり見えないが、トータルで考えるならば、最終的には今季も山本由伸(オ)が選出される可能性が高いだろう。

 そうなれば1956年~58年の国鉄、金田正一以来史上2人目の3年連続ということになる。

セパ1週間の好成績だった選手の記録を見てみると

【2023年8月7日~8月13日 週間成績】
〈パ・リーグ〉
オリックス5試3勝2敗0分 率.600
ロッテ6試3勝3敗0分 率.500
楽 天4試2勝2敗0分 率.500
西 武6試3勝3敗0分 率.500
日本ハム6試3勝3敗0分 率.500
ソフトバンク5試2勝3敗0分 率.400

 首位オリックスは10日のロッテ戦、11日の楽天戦で連敗したがこれを追うロッテ、ソフトバンクも勝ち越すことができずゲーム差を詰めることができなかった。2位ロッテとの差は5.5。

〈打撃成績5傑〉※打撃の総合指標であるRC=Runs Create順。
近藤健介(SB)18打9安3本9点 率.500 RC9.42
阿部寿樹(楽)17打11安1本4点 率.647 RC7.35
マキノン(西)20打9安1本2点 率.450 RC7.20
三森大貴(SB)21打9安1本4点1盗 率.429 RC6.10
荻野貴司(ロ)17打6安4点1盗 率.353 RC4.33

 今季中日から楽天に移籍した阿部が「打てばヒット」の状態。ソフトバンク三森、ロッテ荻野と「出遅れたリードオフマン」が調子を上げてきた。本塁打、打点はソフトバンク近藤がトップ。盗塁は日ハム松本剛、ソフトバンク周東佑京が2が最多。

〈投手成績5傑〉※リーグ防御率に基づくPR=Pitching Run順。
隅田知一郎(西)1登1勝 9回 責0率0.00 PR3.48
岸孝之(楽)1登1勝 9回 責0率0.00 PR3.48
山本由伸(オ)1登1勝 7回 責0率0.00 PR2.71
種市篤暉(ロ)1登1勝 7回 責0率0.00 PR2.71
伊藤大海(日)1登1勝 7回 責0率0.00 PR2.71

 西武の隅田は8月9日の日本ハム戦でプロ初の完封勝利。楽天の岸は11日のオリックス戦で完封勝利。救援ではオリックスの平野佳寿、ロッテ益田直也、日ハム田中正義が2セーブ。オリックス山﨑颯一郎ら6投手が2ホールドを挙げた。

9連勝の阪神が独走態勢。中日の柳はノーノーが…

〈セ・リーグ〉
阪 神6試6勝0敗0分 率.1000
DeNA6試4勝2敗0分 率.667
ヤクルト6試3勝3敗0分 率.500
中 日6試2勝3敗1分 率.400
巨 人6試2勝4敗0分 率.333
広 島6試0勝5敗1分 率.000

 阪神が8月3日から10連勝、対照的に2位広島は8月6日から引き分け1をはさんで6連敗。ゲーム差は8に広がり阪神の独走態勢となった。

〈打撃成績5傑〉
村上宗隆(ヤ)22打10安3本9点0盗 率.455 RC9.95
牧秀悟(De)23打10安2本11点0盗 率.438 RC8.02
サンタナ(ヤ)19打8安1本3点0盗 率.421 RC6.49
塩見泰隆(ヤ)23打10安1本5点0盗 率.435 RC5.74
中野拓夢(神)27打10安1本3点1盗 率.370 RC5.57

 村上、サンタナ、塩見とヤクルト勢が打撃好調。しかし勝ち星にはつながっていない。本塁打は村上の3、打点はDeNA牧の11が最多。盗塁は広島・羽月隆太郎が2回成功している。

〈投手成績5傑〉
柳裕也(中)1登9回 責0率0.00 PR3.77
バウアー(De)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.93
遠藤淳志(広)1登7回 責0率0.00 PR2.93
髙橋宏斗(中)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.93
濵口遥大(De)1登1勝9回 責1率1.00 PR2.77

 中日の柳は13日の広島戦で9回まで安打を許さず121球自責点0で降板するも、味方の援護なく勝ち星つかず。9回まで無安打無失点ながらノーヒットノーランを逸したのは、2006年4月15日、日本ハム八木智哉(ソフトバンク戦10回まで)、2014年5月31日、オリックス金子千尋(巨人戦)に続き史上3人目。

 なおこの試合で柳の後、延長10回に登板したライデル・マルティネスは堂林翔太に本塁打を打たれ今季、37試合目で初めての自責点。防御率0.00の最長記録が途切れた。しかし裏に味方が逆転して白星(今季3勝目)がついている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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