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「ドゥンガは口うるさいから敬遠してたんだ(笑)」ブラジル名SBジョルジーニョの夢は「日本代表監督としてW杯優勝」とアツく語る理由 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byMasashi Hara/Getty Images

posted2023/08/13 11:02

「ドゥンガは口うるさいから敬遠してたんだ(笑)」ブラジル名SBジョルジーニョの夢は「日本代表監督としてW杯優勝」とアツく語る理由<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

鹿島アントラーズ監督時代のジョルジーニョ

 成績不振で、サポーターの代表がクラブ幹部との話し合いを求めた。その席上、彼らが『これからチームの成績を上げるために、可能な限りのことをやってほしい。でも、ジョルジーニョを解任することだけはしないでくれ。我々は、彼を信じているから』と言ってくれた。クラブ関係者からこの話を聞いて、全身に鳥肌が立った。心が震えた。『この素晴らしいサポーターのためにも、死力を尽くして戦おう』と誓った」

ナビスコ優勝で胴上げされて、本当に感激した

――第6節から3連勝するなど少しずつチーム状態が上向きましたが、最終的に12勝10分12敗で、18チーム中11位でした。しかし、Jリーグカップでは好調で、グループリーグを5勝1敗で勝ち上がり、準々決勝でセレッソ大阪を、準決勝で柏レイソルを倒し、決勝で清水エスパルスを延長の末に2-1で下して優勝。天皇杯でも準決勝まで勝ち上がりましたが、ガンバ大阪に惜敗しました。

「Jリーグでは序盤に躓いたこともあるが、その後もなかなか立て直せなかった。しかし、Jリーグカップではアントラーズらしい粘り強い戦いぶりで接戦をものにした。決勝の試合後、スタンドのアントラーズサポーターの中に飛び込んだのは、彼らのサポートに感謝したかったから。胴上げされて、本当に感激した。

 天皇杯の準決勝も、試合内容は我々の方が優勢だったと思う。決定機を決め切れず、残念だった」

――鹿島はこのシーズンだけで退任します。

「クラブからは、2年間の契約更新のオファーをいただいた。自分としては、できれば鹿島で指導を続けたかった。この年の経験を糧として、翌年以降、もっと良い成績を残す自信があった。

 しかし、家族の健康に関する重大な問題があり、退任せざるをえなかった。このことは、今も心残りだ。とはいえ、人生で家族より大切なものはない。仕方がなかった」

監督退任後、ジョルジーニョは今何してる?

――その後13年から古巣フラメンゴを含む多くのクラブの監督を歴任。2016年にはバスコダガマを率いてリオ州選手権で優勝し、ブラジル2部で3位に食い込んで1部復帰を達成。また、19年後半にコリチーバを、昨年後半にバスコダガマを率いてブラジル2部から1部へ昇格させましたが、様々な理由から比較的短期間に退任しています。セレソンのコーチを務めた期間を除く14年間に延べ18ものチームを指揮しています。ただし、今年はここまで所属クラブがありません。

【次ページ】 Jの動向も見ている。ダイキが頑張っているね

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