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「ナオヤは“まるでパッキャオ”。スペシャルだ」アメリカ識者が“6年前からホレボレの井上尚弥評”「彼のパワーとスピード、戦術の融合は…」 

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NumberWeb編集部

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2023/07/30 06:00

「ナオヤは“まるでパッキャオ”。スペシャルだ」アメリカ識者が“6年前からホレボレの井上尚弥評”「彼のパワーとスピード、戦術の融合は…」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

フルトン相手に鮮やかなKO勝利を飾った井上尚弥。アメリカでの評価はかねてより高かった

「今回の試合で井上は単なるパンチャーではなく、ガッツがあり、タフネスも備えていると示した。快進撃の過程では恐れられたパンチャーが、試練を味わうと馬脚を現す例を見てきた。しかし、井上は最後の3ラウンドで再びペースを上げ、これまで未知数だった部分を証明したんだ。私は依然として井上を高く評価している」

パッキャオと3度戦った実力者からの絶賛

<名言4>
パッキャオを彷彿とさせる。
(ティモシー・ブラッドリー/NumberWeb 2020年11月2日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/845670

 ◇解説◇
 ドネアとの激闘後、井上、いや世界にとって思わぬ出来事となったのが新型コロナウイルス禍だった。ほぼ1年間にわたって公式戦が組めなかったが、井上は2020年10月31日、ついにアメリカ・ラスベガスのリングに立った。

 WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者として井上が迎えた挑戦者はジェイソン・マロニー。しぶといスタイルのマロニー相手で、さらに聖地ラスベガスでの初戦。展開が少々違う趣になるかもしれない――という戦前の見立てはまったくの杞憂だった。

 7回2分59秒、KO勝利。

 井上は初回からジャブを浴びせて主導権を握り、前へ前へと出ていった。6回に左フックでこの日最初のダウンを奪うと、7回に正確無比かつ破壊力満点の右ストレート。もろに被弾したマロニーはヒザから崩れ落ちるしかなかった。

 この一戦は「ESPN」で中継されていた。そこで解説していたのがスーパーライト級、ウェルター級の2階級制覇を経験したティモシー・ブラッドリーだった。

「スピード、正確さ、カウンターパンチの能力、彼はすべてが違っていた。イノウエはスペシャルだ」

 なおブラッドリーは現役時代、6階級制覇を成し遂げたスーパースターであるマニー・パッキャオと3度対戦したことがある。実際に拳を交えた実力者からの「彷彿とさせる」との評価は、井上に対して非常に高いものを感じる。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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