大谷の“2年連続MVP”にも賛成していた

　2022年シーズン、大谷さんが2年続けて投打の二刀流で活躍していた際に、バーランダーは大谷さんをMVP候補の筆頭に挙げていました。7月中旬のオールスター戦に出場したバーランダーは、ジャッジと大谷さんのMVP争いについて、ニューヨークポスト紙の取材にこう答えています。

「もし、誰かがベストヒッターの1人として活躍して、その選手がまた、ベストピッチャーの1人だったとしたら、反対票を投じるのは難しい」

　結果的にはジャッジがMVPを獲得しましたが、対戦機会が多く、投打で秀でた大谷さんの凄みを肌で感じてきたバーランダーにとっては、大谷さんのパフォーマンスは2年連続でMVP級だったと感じていたのでしょう。

　2023年シーズンはナ・リーグ東地区のメッツに移籍し、対戦の機会は少なくなりましたが、エンゼルスは8月25日からメッツの本拠地シティフィールドで3連戦を控えています。再戦となれば、初めて訪れる同球場でニューヨークのファンを沸かせること間違いなしです。ちなみに、バッターでの対戦はありますが、投手としての投げ合いは実現していません。先発ローテーションの巡り合わせ次第となりますが、先発対決となれば、こちらも大注目。想像するだけでも胸が躍りますね。

バーランダー弟の部屋には“大量の大谷グッズ”が

　そして余談ではありますが、バーランダーの弟でFOXスポーツのアナリストを務めるベン・バーランダー氏は、二刀流・大谷さんの大ファンとして有名です。彼は大学まで二刀流選手としてプレーし、メジャーに挑戦しました。マイナーリーグで選手生活を終えましたが、大学時代に二刀流を経験したからこそ、兄と同じように大谷さんの規格外の凄みを肌で感じているようです。

大谷からサイン入りバットを贈られ、満面の笑みのベン・バーランダー　©JIJI PRESS

「彼がやっていることをできる人なんて、この地球上で誰もいない。もし、それ（二刀流）をこれからも継続してできるなら、彼以上に価値のある選手はどこにいるのだろうか。両方をメジャーリーグのレベルで、エリート級のプレーでできている。これは、僕は不可能だと思っていたけど、それと同時に、彼が成し遂げてくれて感謝しているよ」

　大谷さんの“マニア”として、ベン氏が住むアパートの自室には、枕やブランケット、Tシャツなど大谷さんのグッズであふれているそうです。彼は2022年夏に大谷さんの故郷、岩手県奥州市を訪れ、ルーツをたどる取材を経て、帰国後に大谷さんの単独インタビューも行いました。今や取材メディアと選手として近い存在になったベン氏と大谷さん。大谷さんにとってバーランダー兄弟は特別な存在なのです。

《「仲良しライバル」編につづく》

『もっと知りたい! 大谷翔平：SHO-TIME観戦ガイド』（小学館新書）　書影をクリックすると、Amazonの購入ページにジャンプします

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。