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「カマダを知っているか? 彼はすごいぞ」地元ファンが思わず相手サポーターに自慢、ドイツ名物記者が解説する「鎌田大地は何がすごい?」一方、本人は… 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byJIJI PRESS

posted2023/04/09 17:01

「カマダを知っているか? 彼はすごいぞ」地元ファンが思わず相手サポーターに自慢、ドイツ名物記者が解説する「鎌田大地は何がすごい?」一方、本人は…<Number Web> photograph by JIJI PRESS

地元ファンからも信頼を置かれている鎌田。CL決勝トーナメントも経験した本人に現在のポジションでの手応えを聞くと…

4位以上を目指せるようなチームにするには…

 サッカーは相手のあるスポーツだ。どれだけ自分達が最適な準備をしていても、相手にそれを上回る対策を練られていたらうまく試合は運べない。全てがかみ合うようなパーフェクトな試合展開にするのはもちろん簡単なことではない。でもその可能性はどんな試合にもあるし、どんな強豪相手でも勝てるチャンスがあることを証明してきたのが近年のフランクフルトだったから。

 クラブ史上初となるCLを経験したことで、フランクフルトは、ブンデスリーガでどのくらいの立ち位置にいるクラブとなることができたのだろうか。鎌田は少し考えた後、冷静な意見を口にした。

「クラブ規模だったり、ここ近年の成績っていうのを見ると、レバークーゼンだったり、その辺りのクラブとある程度肩を並べるくらいのところには来ているのかなとは思います。実際自分達の方が間違いなくいいサッカーはするし、いい選手は揃っていると思いますし。

 ただ、ドルトムント、(RB)ライプツィヒ、バイエルンはシーズン終えると1、2、3位で固まっているのが基本かなと。だからフランクフルトが毎シーズン、4位以上を目指せるようなチームになるには、いい選手が残っていくような部分も必要なのかなと思います」

シェルツァー記者が挙げたクライフ、ネッツァーという名前

 そのためには最低でも来季のヨーロッパリーグ出場権を獲得することが重要だ。フランクフルトのヨーロッパカップ戦における熱狂的な雰囲気は欧州全体でみても有数のものがあり、選手を惹きつけるだけの魅力がある。第26節終了時でフランクフルトは6位。現時点ではヨーロッパリーグ出場権を獲得できる位置にはつけている。ただマインツやレバークーゼンといったクラブが好調でどんどん順位を上げてきているだけに、ここからシーズンのラストスパートで調子を上げていくことが間違いなく必要だ。

 シェルツァー記者が「オランダ代表のヨハン・クライフやドイツ代表のギュンター・ネッツァーのような選手が見せてくれていたプレー」と絶賛していた鎌田のゲームメイクが冴えわたり、大事なところで得点にも絡んで、ファンを熱狂の渦へと巻き込めるか。チーム全体の状況を把握し、ゲーム全体の流れを読みながら、最適なプレー判断で味方に時間とスペースを与える鎌田のプレーで、フランクフルトを連勝街道へと導いてほしい。

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鎌田大地
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