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スパーで鼻血、試合では一撃KO…“戦うラウンドガール”宮原華音がキックボクサーとしてリングに立つ理由「私たちも格闘技に本気なんです」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2023/04/08 17:03

スパーで鼻血、試合では一撃KO…“戦うラウンドガール”宮原華音がキックボクサーとしてリングに立つ理由「私たちも格闘技に本気なんです」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

RISEのラウンドガールでありながら、選手としてもリングに上がる宮原華音。小学生時代には空手の全国大会で3連覇を成し遂げている

「リングに入ったら、自然と臨戦態勢に」

――実際に選手としてリングに立ったときの心境は。

宮原 どんな人が来るのか、自分がどのレベルにいるのかも全然わかっていなかったので、メチャクチャ緊張していました。でもTARGET SHIBUYAで指導してくれている宮城大樹さんが「宮原さんは空手出身だから大丈夫」と言ってくれて、「あっ、空手の試合だったら何百試合もしてきたわ」と。その瞬間に気持ちを吹っ切ることができました。リングに入ったら、もう空手モードというか、自然と臨戦態勢に入っていましたね。

――試合は1ラウンドにミドルキック一発で対戦相手をKO。ミドルは最初から狙っていたんでしょうか。

宮原 大樹さんから「頭にもスネにも防具がついているけど、お腹にはついていないのでお腹が一番効きます」と言われていたんですよ。まさかあれでKOできるなんて夢にも思っていませんでした。

――ちなみにデビュー戦のときは減量も?

宮原 2週間で5kgほど落としました。本当は2.5kgでよかったんですけど、リミットを恐れていたら倍も落ちていたんです。

――女優やモデルとして経験があると思いますが、美容目的のダイエットと格闘技のための減量は違うものですか。

宮原 全然違いますね。ダイエットは極論「見た目が全て」なので、顔やボディラインがスッキリしていればいい。体重計にもほぼ乗らないです。でも減量時は毎日4~5回体重計に乗っていました。もう何をしていても数値が怖すぎて、「あぁ、今日は全然減っていない……」とため息をついて。あれはちょっと初めての感覚でしたね。

――では、勝利を収めたあとの解放感は格別だったんじゃないですか。

宮原 大好きな焼き肉を食べて、フラペチーノを飲んで、ドーナツやアイスも食べまくりました。おかげで体重は一気に4kgも増えました(笑)。

――空手の経験を生かして、女優の仕事ではアクションも任されているそうですね。

宮原 戦う役をいただくことが多いので、演じるときは相手を敵だと思って本気でやっています。スタッフの方に「本気で戦ってきた人は気合の入り方が違う」「目がいい」と褒めてもらえると、空手をやってきてよかったと思いますね。

――キックでデビューしたことで、これからさらにそういった役のオファーが増えるのでは?

宮原 このところ、現場でスタントマンの方がやるような「はい、じゃあ宮原さんはここから飛んでください」みたいな無茶ぶりをされることもあって(笑)。もちろんそれはそれで嬉しいですよ! 嬉しいんですけど、女優の仕事も格闘技と同じくらい油断できないな、と感じています(笑)。

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ラウンドガールが格闘家として異例のプロデビュー…空手の全国大会3連覇・宮原華音は“最強の女子小学生”だった「男子にも勝つ気満々でした」

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