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イチローがWBC後に明かした“ダルビッシュへの思い”「何より嬉しかったのは…」ダルビッシュは労いの言葉に安堵?「ちゃんとできたのかな」

posted2023/03/27 17:24

 
イチローがWBC後に明かした“ダルビッシュへの思い”「何より嬉しかったのは…」ダルビッシュは労いの言葉に安堵?「ちゃんとできたのかな」<Number Web> photograph by L)JIJI PRESS、R)Getty Images

WBC終了後、イチローさんに聞いた侍ジャパン。ダルビッシュ有への熱い思いを語った

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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 侍ジャパン歓喜の優勝後、アリゾナ州ピオリアのキャンプ施設でイチローさんが今回のWBCについて語った。第1回大会から参加を志願したイチローさんにとって、WBCへの思い入れは強い。その彼が思うことはひとつ。真の世界大会への成長だ。

「マイアミでのゲームを何試合かテレビで観た。お客さんも連日満員だったし、中南米の選手たちの気持ちの入り方を見れば(盛況ぶりは)明らかだった。2006年から、わずか17年でここまで来たんだな、と現場にいなくても感じることができた。感慨深かったです」

 国の威信をかけ、世界中の野球選手が頂点をとりにいく。それがあるべきWBCの姿。イチローさんが常に思ってきたことだ。

「当時はWBCなんて誰も分かってくれなくて…」

 05年、王貞治初代侍ジャパン監督から出場の打診を受けた。シーズン終了後、直接、王監督の携帯へ返事の電話を入れた。だがこの時、イチローさんに少しの“ミス”があった。携帯の非通知設定の解除を忘れてしまったのだ。誰からの連絡であるかわからない。にもかかわらず『世界の王』は電話をとった。当時、イチローさんが王さんの人間的大きさを表現する際に口にした“直電秘話”だ。WBCと侍ジャパンはここから始まった。

「当時はWBCなんて誰も分かってくれなくて、気の悪い思いもした。時間が経って前に進んでいる感触があるのは野球界にとっては良いもの。世界大会のトップ(頂点)として野球選手が目指したい場所になってほしいという思いには変わりないですが、それは選手の熱意次第です」

 熱意と覚悟。WBCも回数を重ね、少しずつ理想とするものへ近づきつつある。日本には確実に根付いた真の世界大会への意識。今大会に臨んだ侍ジャパンのメンバーは、ほぼ全員がそのユニフォームを着たい、との思いを事前に表明していたとされる。確実に引き継がれていた世界一奪取への思い。イチローさんらしく、ユーモアを交え笑った。

「僕らの時のユニフォームと(デザインが)違うんだけどね(笑)。あれ大事にしてほしかったけどな」

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