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ヌートバーが両親から「仕事をしろ」と言われた日…朝4時から週6日の肉体労働、本人が振り返る「現実と向き合う経験になった」ハードな夏

posted2023/03/13 11:00

 
ヌートバーが両親から「仕事をしろ」と言われた日…朝4時から週6日の肉体労働、本人が振り返る「現実と向き合う経験になった」ハードな夏<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

明るい笑顔が印象的なヌートバーだが、野球人生においてターニングポイントとなった“ハードな夏”があった

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ブラッド・レフトン

ブラッド・レフトンBrad Lefton

PROFILE

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Nanae Suzuki

 オランダ系アメリカ人の父と日本人の母を持つ25歳のメジャーリーガーは、幼い頃から夢見た日本代表に選出され、一躍注目を集める存在となった。ファンの心をがっちり掴む元気印をアメリカで取材した筆者が綴る“日本代表の切り込み隊長”を変えた両親からの一言、そして楽しむように野球をする理由とは――。
(現在発売中のNumber1069号[初の日系人代表選手]ヌートバー「トカゲ嫌いな愛されキャラ」より内容を一部抜粋してお届けします)

水原一平通訳からインスタのDMが来た

 2022年9月27日のミルウォーキー。カージナルスが6-2でブルワーズを破り、3年ぶりにナショナル・リーグ中地区制覇を決めた。前カードで史上4人目、通算700本塁打を達成したアルバート・プホルスが、シャンパンを開け、チームメイトに向けて噴射し始めた。シャンパンにびしょびしょに浸される中には、2番・ライトで出場したラーズ・ヌートバーもいた。メジャー2年目の若手は初めての地区優勝に喜びを隠せなかったが、心の隅には、実はもう一つの喜びを抱いていた。

 前日のオフ、遠征先のホテルの部屋で休んでいると、“ピン”という音が静けさを破った。自身のインスタグラムにメッセージが入ったのだ。送り主は目を覚めさせるような名前だった。大谷翔平の通訳を務めている水原一平からだった。会ったこともなければ、メールを交わしたこともなかったのだから、ただただ驚くしかない。“以下にある私の携帯電話番号に、ご都合のいいときに電話いただければありがたいです”というようなメッセージだった。

「急いで携帯を取って電話した。だって、ショウヘイオオタニの関係者から電話くださいと言われたら、すぐに従うでしょう」

もし侍ジャパンに選出されたときは興味があるか知りたい

 水原の用件は、半年後に行われるWBCについてだった。

【次ページ】 プロスペクトが直面したコロナ禍

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