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香川真司「4662日ぶりJ復帰戦」でカメラマンが見たものとは? セレッソの象徴「8」ではないスパイクの「10」が“映えていた”ワケ

posted2023/02/23 17:03

 
香川真司「4662日ぶりJ復帰戦」でカメラマンが見たものとは? セレッソの象徴「8」ではないスパイクの「10」が“映えていた”ワケ<Number Web> photograph by Masashi Hara

2010年5月15日以来、4662日ぶりにJリーグのピッチに戻ってきた香川真司。セレッソ大阪のサポーターは盛大なチャントで背番号8を出迎えた

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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Masashi Hara

(あれ? 8じゃない……?)

 2023年2月18日のJ1第1節、セレッソ大阪vs.アルビレックス新潟を撮影していて最も印象に残ったのは、その“番号”だった。

 ウォームアップに登場した香川真司のスパイクには、日本国旗と共にセレッソのチームカラーで「#SK10」と記されていた。前所属チームのシント=トロイデンVVでの背番号は10。急な移籍でセレッソ仕様のスパイクが間に合わなかったのかもしれない、とも思ったが、色はセレッソのピンクだ。

 スパイクはハーフタイムにウォームアップ用のものから試合用のものへと変わった。その変化は途中出場を強く示唆するものだったが、そこにも「#SK10」の文字があった。

 日本代表の10番を背負ってからはずっとそうなのだろうか? と過去の写真を振り返ったが、2015年のボルシア・ドルトムント時代の香川の足にはしっかりと「SK23」があった。本人のインスタグラムでセレッソ復帰の投稿をした際のハッシュタグも「#SK8」だった。

 単に間に合わなかったのか、あるいはスパイクのストックがあっただけなのか、実際のところはわからない。しかしなぜか、背番号とは違っているにも関わらず、2023年のJリーグ開幕節に「#SK10」の文字はマッチしていた。

急ピッチでの調整もスルーパスでゴールを演出

「プレーについて、何か感じることはありません」

 試合を終えた香川真司は、こう語った。

 12年半ぶりにセレッソへ復帰した背番号8は、1-1の71分に途中出場。5分も経たないうちに左足からスルーパスを繰り出してセレッソの2点目を演出したものの、全体的には前を向いてボールを持つ機会が限られた。その少ない機会の中で、先述のスルーパスだけでなく、対峙した相手を抜いてみせたり、浮き球をトラップでコントロールしてドリブルに繋げてみせたりと、らしいプレーを見せたがスコアには結びつかず。80分に新潟に追いつかれた試合は2-2のまま幕を閉じることになった。

 そもそも、開幕戦に出場することができるかどうかも不透明だった。加入が発表されたのは2月1日、チームの練習に合流したのは2月7日だ。昨年11月に手術をした左足首は「痛みはなくなった」(香川)というものの、負荷がかかることに対して問題が全くなくなったわけではなく、15日には小菊昭雄監督が「急ピッチで上げているのでリバウンドが若干ある」と明かしていた。ギリギリまで状態を見極め、試合前日にようやく「限られた時間になるが、送り出せる準備はできた」(小菊監督)という判断になった。

【次ページ】 期待の大きさは12年半前と同じか、それ以上

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