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川島永嗣39歳が「一区切り」、長谷部誠「一番やりたいことはサッカー」、“再評価”された酒井高徳…日本代表を退いても“全盛期”は続く 

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photograph byKaoru Watanabe,Kiichi Matsumoto,Takuya Sugiyama/JMPA

posted2022/12/15 17:00

川島永嗣39歳が「一区切り」、長谷部誠「一番やりたいことはサッカー」、“再評価”された酒井高徳…日本代表を退いても“全盛期”は続く<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe,Kiichi Matsumoto,Takuya Sugiyama/JMPA

長谷部誠、川島永嗣、酒井高徳……代表活動について、W杯を期に区切りをつける選手たちはいる

酒井高徳が「引退ではない」と言った理由

 <名言2>
 僕の場合は「引退」ではない。引退というのは、長谷部さんや(本田)圭佑くんのように、代表に多大なものを残した選手こそが使う言葉。僕は彼らとは違う。
(酒井高徳/NumberWeb 2019年4月24日配信)
 https://number.bunshun.jp/articles/-/839069

 ◇解説◇
 ロシアW杯後、「4年後は目指さない」と語ったのが酒井高徳だ。

 左右両サイドをできるサイドバックとして、酒井高徳は2010年代の日本代表において“招集常連メンバー”だった。当時は長友佑都、内田篤人、酒井宏樹らを筆頭にサイドバックの選手層が厚かったため、バックアッパーとして出場を待つ機会が多かったものの、ドイツ・ブンデスリーガではハンブルガーSV時代にキャプテンを務めたほどの実力の持ち主である。

 ブラジルW杯に次ぐ2大会連続となるW杯出場となったロシア大会では、グループステージ第3戦のポーランド戦でスタメン出場した。本来のポジションとは違うサイドハーフでの起用となったものの、「試合に出場して、日本の力になりたい」という思いの下でピッチに立った。ただその一方で、このように自己分析もしていた。

「客観的に見れば、酒井高徳はここに座らせる必要はない。若い選手がベンチに座り経験を積むためにも」

 さらに「代表引退」という表現を使わなかったのは、前述した“日本代表での実績が伴っていない”という厳しい自己認識がベースとなっていたという。当時の日本代表にとって非常に重要な存在だったのは間違いないが……酒井高徳はそれほどまでに自らに高い要求をし続けた。

Jリーグでの戦いで“再評価”された酒井高徳の価値

 そんな酒井が“再評価”されたのは、Jリーグの舞台に戻ってからだ。

 2019年夏にヴィッセル神戸に加わった酒井。当時の神戸はイニエスタ、フェルマーレン、ダビド・ビジャらと海外ビッグネームが居並んだが、「今は練習中から、みんなの球際への意識が変わった。僕自身はそれを周りに要求しているし、僕がそれを見せることで『チームに必要なことなんだ』というのが伝わっているんだと思います」と“ヨーロッパ基準”のプレーと姿勢でヴィッセルに化学反応をもたらした。

 それは翌2020年、元日での天皇杯優勝へと繋がる。日本代表を離れ、クラブでの活動に専念したことで得たものは確かにあった。

【次ページ】 代表引退後の長谷部に訪れた“第2の全盛期”

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