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「最後はユニフォームを着て死にたい」岡田彰布が阪神で目指す野球とは?「勝てるプレーが出来てないから解説も辛口に聞こえるわな」 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byHideki Sugiyama

posted2022/10/17 06:00

「最後はユニフォームを着て死にたい」岡田彰布が阪神で目指す野球とは?「勝てるプレーが出来てないから解説も辛口に聞こえるわな」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

再び阪神タイガースのユニフォームに袖を通す岡田彰布新監督(64歳)。「勝つ野球をやる」と力強く宣言した

「やっぱりなあ、指揮官にとって大事なのはチームの選手をどれだけ把握できるかや。全選手の技術、性格、ルーツを知っとかな、そら勝てんよ。95年に引退して、そのままオリックスの二軍監督をやらせてもらって、その後に阪神の一軍監督になった。二軍戦で対戦相手の阪神の選手を見ていたのは大きかった。現役時代からよく知っている選手もまだ阪神にはおったしね。あの優勝(2005年)は以前から見て来た選手をどう育て、どう起用するかを判断できた。

 やっぱり選手、チームをしっかり把握せな勝てんよ。ぽんって監督に呼ばれてすぐに結果を出せることなんてないと俺は思ってる。選手をしっかり見とかんとね。あとは下の選手をちゃんと見てきてる人間とチームを作らんとあかん。オリックスの監督をやった時の反省点はそこや。もっと選手を把握しておきたかった。70人以上の選手を知るにはほんまに時間がいるもんや。特に下におる選手、若い選手を知らな優勝は難しくなるんよ」

盟友・平田二軍監督をヘッドコーチに

 岡田は、現場から離れてからもは時間があれば阪神の一軍の試合だけでなく、二軍の試合を自分の目で見て、情報収集を行い、自分の耳で聴いてきたという。ベンチの外からではあるが、10年もの間に相当量の選手情報が蓄積された。それと同時に指揮官への情熱はさらに加速し、“チームと全選手を把握する”ことがNPB監督としての重要な要素であることを再認識する時間でもあった。

 その証拠として、長きにわたり阪神の若い選手を指導し、岡田がチームを離れている間も現場でチームと向き合ってきた平田勝男二軍監督をヘッドコーチに据える見通しであり、納得の組閣である。

「勝てる野球、勝つ野球をせなあかんのよ。勝てるのに。勝てる野球、勝てるプレーが出来てないから解説も辛口に聞こえるわな。当たり前のことを言うてるだけや。プロの世界、ミスしたら勝てへんし、厳しいのは当たり前や。そら、勝つ野球をやるよ」

 各チームの指揮官が若返る中で阪神は間もなく65歳となる岡田を監督として迎える決断を下した。2005年の優勝から17年の時が経った。「勝つ野球」を求める岡田第2次政権。熟練のタクトに注目が集まる2023年になりそうだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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