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「あとは任せた」K-1新局面に“武尊をめぐるドラマ”が…ライバル・レオナと親友・大岩にかけた言葉「これであきらめるのは違うよ」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byTakao Masaki

posted2022/10/07 17:06

「あとは任せた」K-1新局面に“武尊をめぐるドラマ”が…ライバル・レオナと親友・大岩にかけた言葉「これであきらめるのは違うよ」<Number Web> photograph by Takao Masaki

“親友”大岩龍矢のセコンドについた武尊。K-1のリングには、“武尊をめぐるドラマ”が生まれていた

準決勝の後、武尊にかけられた“ある言葉”

 準決勝の後、負けたくない理由がもう一つ増えてもいた。レオナは大岩のセコンド、武尊にこう言われたそうだ。

「優勝してね。頑張って」

 短い言葉だったが、レオナは心の底から「頑張らなくては」と思った。表彰式では「武尊選手の言葉のおかげで勝つことができました」。そして叫んだ。

「K-1最高!」

 武尊の決め台詞。咄嗟のひらめきだったそうだ。しかしそれはレオナにとっても、K-1にとっても意味のあるものだった。

 自分が“K-1 NEXT”と呼ばれるような選手なのかは、実のところよく分からない。K-1には自分より若い選手がたくさんいる。曰く「NEXTは若い選手でしょう」。決勝で対戦した朝久は「僕が抜けたら無双だと思う」ほど強かった。そんな中で、自分は武尊から受け継いだベルトの価値を高めていきたいとレオナ。

「武尊選手を超えていきたい。武尊選手には華があるけど、僕は実力で超えたいです。(このトーナメントも)武尊選手だったら全部KO勝ちだったと思います。まだ及ばないですね」

 武尊抜きには語れないベルトを、いかに自分の色にしていくか。それがこれからのレオナの仕事だろう。その前の仕事は、お世話になった人たちを訪ねてベルトを見せること。母の墓参りはその後になりそうだ。

「まずは生きてる人。自分のことは最後でいいって。母ちゃんはそういう人だったので」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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