Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER

プロ入り3年目の大谷翔平…交流戦で戦った“セ・リーグ強打者たち”の声「メジャーリーガーになる人」「ダルビッシュに似ているところが…」

posted2022/09/04 06:01

 
プロ入り3年目の大谷翔平…交流戦で戦った“セ・リーグ強打者たち”の声「メジャーリーガーになる人」「ダルビッシュに似ているところが…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

プロ3年目の大谷翔平に対するセ・リーグ打者たちの評価とは?(写真は2016年日本シリーズ)

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

PROFILE

photograph by

Hideki Sugiyama

大谷翔平のNPB時代――1年目5.14、2年目2.58、3年目1.64。交流戦で残した防御率の変遷に、投手としての成長の歩みが如実に表れていた。当時対峙した打者が語る驚異的な進化の正体とは。Sports Graphic Number881号(2015年7月2日発売)の記事「[交流戦に見た右腕の進化]セの好打者が語る、3年目の脅威」を特別に無料公開します。※肩書きなど全て当時のまま

プロ3年目の大谷…セ・リーグ打者たちの評価

 投球内容の善し悪しを問わず前向きな姿勢を貫く大谷翔平が、珍しく負の感情を顕わにした。

 6月14日のDeNA戦。大谷は試合前、今までになく調子の悪さを感じていた。

「ブルペンからよくなかった。フォークが落ちなかったり、スライダーも曲がらなかったり。最近では一番悪かったです」

 だが、状態と結果が必ずしも一致するとは限らない。この試合、大谷は8回途中に右足首の違和感で降板するまで相手打線を4安打1失点に抑え、チームに勝利を呼び込んだ。

「使えるボールが真っ直ぐしかなかったので、相手の裏をかきながら騙しだまし投げました」

 大谷は自身の投球をそう説明した。

梶谷隆幸「打席に立つと速く感じました」

 この日の最速は159km。交流戦でしか対戦のないセ・リーグの打者たちが「いかにして大谷の160kmを打ってやろうか」と牙を剥いてくることは大谷自身、分かっていたはずだ。にもかかわらず、ストレートだけで相手を翻弄するあたりに今の大谷の凄みが表れている。

 梶谷隆幸はそれを体感したひとりだ。

「やっぱり打席に立つと速く感じました。いいコースに来たボールは対応するのが難しかったです。簡単に打つことはできないし、カットしようにもうまくいかない」

 そう脱帽するのも仕方がない。DeNAの中軸を担う3割打者ですら、昨年に続き今年も1本の安打も放てず大谷の前に屈したのだ。

 今年の大谷は、昨年の11勝を上回るペースで勝ち星を重ね、9勝1敗、防御率1.47、奪三振率11.19と、圧巻の成績をマークしている(6月25日現在)。好調の理由は、このDeNA戦のように自身を俯瞰して最善の投球を導き出し、それを実行するパフォーマンスが備わったからだ。

 思い返せば、交流戦での大谷は、その修正能力が際立っていた。

【次ページ】 中日・大島洋平「ボール1個分クッと内側に…」

1 2 3 4 NEXT
大谷翔平
梶谷隆幸
大島洋平
福留孝介
ダルビッシュ有
北海道日本ハムファイターズ
ロサンゼルス・エンゼルス

プロ野球の前後の記事

ページトップ