Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[パーフェクトゲームの壁を語る]西口文也×杉内俊哉「完全試合と未完全試合のあいだに」

posted2022/06/04 07:05

 
[パーフェクトゲームの壁を語る]西口文也×杉内俊哉「完全試合と未完全試合のあいだに」<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/SANKEI SHIMBUN

(左)完全試合ならずも、杉内は14三振を奪う準完全試合で'12年5月30日の楽天戦に勝利した(右)'05年8月27日楽天戦で史上初の延長戦完全試合を逃したが、西口は3年ぶりに完封勝利

text by

赤坂英一

赤坂英一Eiichi Akasaka

PROFILE

photograph by

NIKKAN SPORTS/SANKEI SHIMBUN

計3度、偉業を目前にしながらも未遂に終わった西口と、あと1球というところで惜しくも快挙を逃した杉内。2005年には最多勝も争った2人のエースが、史上最年少で達成した怪物と完全試合について語り合う。

杉内 西口さん、どうも!

西口 あ、どうも。この対談、相手が杉内くんで良かったよ(笑)。球場で会えば、よく話をする仲だからさ。

杉内 現役時代には投げ合ってますよね。とくに2005年、僕と西口さんで最多勝を争ったころの試合はよく覚えてます。

――'05年8月20日のソフトバンク-西武戦はエース同士の投手戦でした。どちらも完投で、2-1で勝った杉内さんが16勝、負けた西口さんが15勝。杉内さんはこの年、18勝で最多勝のタイトルを獲得しています。

杉内 あの1勝はうれしかった。西口さんは憧れの投手で、初めて勝てましたから。

西口 光栄です(笑)。

――良きライバルだったお二方には、あと一歩で完全試合を逃したという共通の経験があります。そういう視点から佐々木朗希選手の完全試合(4月10日、オリックス戦)をどのように捉えたか、聞かせてください。

西口 そのうちやる可能性はあるかなと、ずっと思ってました。あれだけの真っ直ぐと良い変化球があって、しっかりとストライクゾーンに投げ込んでいけてたらね。

杉内 一番の要因はやっぱり、ゾーン内に強い真っ直ぐを投げられることでしょう。しかもフォークがあって空振りを取れる。打者は真っ直ぐを狙ってもファウルになるから、ポイントを前にしてバットに当てにいくんだけど、そこへフォークを落とされちゃう、というパターンですよね。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 3749文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

西口文也
埼玉西武ライオンズ
杉内俊哉
福岡ソフトバンクホークス
佐々木朗希
松川虎生
大野雄大
田中将大
一場靖弘

プロ野球の前後の記事

ページトップ