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渋野日向子「自分のゴルフをやり切った」優勝逃したのになぜ笑顔? 現地レポーターが感じる確かな成長「新人賞争いも見逃せない」

posted2022/04/18 17:01

 
渋野日向子「自分のゴルフをやり切った」優勝逃したのになぜ笑顔? 現地レポーターが感じる確かな成長「新人賞争いも見逃せない」<Number Web> photograph by KYODO

米女子ツアー・ロッテ選手権で優勝争いを繰り広げた渋野日向子。惜しくも2打差の2位に終わったが「やり切った」と笑顔を見せた

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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KYODO

 4月13日から16日にかけて米ハワイ州ホアカレイCCで行われた米女子ゴルフツアー「ロッテ選手権」。今季から米ツアーに本格参戦する渋野日向子(23歳)は、惜しくも優勝には届かなかったものの、首位と2打差の2位に入った。先々週に行われた米メジャー初戦の「シェブロン選手権」では4位に入るなど、良い流れが続いている。

 WOWOWの中継レポーターとして現地取材する元世界アマチュアランキング1位の片平光紀に渋野の好調の要因や大会の様子を聞いた。

——ロッテ選手権では最後まで優勝争いを演じ、9アンダーの2位でフィニッシュしました。渋野選手の好調の要因は何だと思いますか?

片平 ミスがほとんどなく、全てが良かったので好調の要因を1つだけ挙げることは難しいです。ドライバーは飛距離が出てフェアウェイを捉えていましたし、強い風が吹くなかでもしっかりコースマネージメントをしていました。3パットもなかったですね。

——ハワイ特有の風に苦しむ選手も多かった。

片平 そうですね。しっかり芯を捉えて、風に負けない重いボールを打てていたと思います。

——ショットの精度も冴えていました。

片平 印象に残ったのは5番のパー5。右にバンカー、左に池、ランディングエリアがきゅっと狭まったタイトなホールだったので、ティーショットを3ウッドでバンカーの手前に置きにいく選手が多いなか、渋野選手は2日目も3日目も思いっきりドライバーを振っていました。そして池側のフェアウェイをしっかり捉えていました。そこから第2打を直ドラ(ドライバーで直接芝の上にあるボールを打つこと)を打っていたのですが、そのコントロールもすごく上手かったです。

成長を感じ取れるメンタリティ

——直ドラは難易度が高いですよね。

片平 難しいですね。ドライバーはヘッドが大きいので、芯で打たないと、ボールが上がらない。試合でトライする選手も少ないと思います。私が見た中では、米女子ツアーで直ドラを打ったのは、ブルック・ヘンダーソン(カナダ)とリディア・コ(ニュージーランド)の2選手だけです。

——渋野選手は初日から、積極的に直ドラで攻めていました。

片平 3日目には、まだ体が温まっていないかもしれない1番パー5の第2打でも直ドラで攻めていました。技術だけではなく、そのメンタリティも凄いなと。2日目を終えた後に聞いたところ、「オフにちょっと練習したんです」と言ってました。相当、練習したから自信を持って振れているんだと思います。なるべくドライバーで距離を稼ぎ、3打目をウェッジで打つ作戦だったと思いますが、それがしっかり出来ていました。

【次ページ】 課題のアプローチ「どこからでも入る雰囲気」

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