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大学駅伝、個人戦シーズンの“横綱”はだれ?…田澤廉・三浦龍司・ヴィンセント、箱根駅伝ランナーの“春場所番付”を考えてみた 

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酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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photograph byYuki Suenaga

posted2022/04/16 11:04

大学駅伝、個人戦シーズンの“横綱”はだれ?…田澤廉・三浦龍司・ヴィンセント、箱根駅伝ランナーの“春場所番付”を考えてみた<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

これから春のトラックシーズンに入る大学陸上。誰が“個人戦シーズン”を制するのか?

関脇)出雲駅伝初優勝にも貢献した“エースランナー”

 関脇は丹所健(東京国際大4)と藤本珠輝(日体大4)。

 丹所は昨年の日本インカレ5000mで3位に入ると、出雲3区で区間2位(日本人トップ)、全日本6区で区間賞(区間新)、箱根3区で区間賞(日本人最高記録)。駅伝で見せたアグレッシブな走りでトラック(5000m13分46秒17、10000m28分19秒17)でも大幅にタイムを伸ばすだろう。

 藤本は5000mで13分32秒58、10000mは28分08秒58のタイムを持つ。昨年の関東インカレでは1部の10000m・5000mで日本人唯一のW入賞(4位、6位)を果たした。箱根2区は19位スタートから1時間7分21秒で走破。「強さ」を感じさせる選手だ。

大関)五輪出場者も…トラックにとにかく強い4人

 大関は三浦龍司(順大3)、吉居大和(中大3)、近藤幸太郎(青学大4)、フィリップ・ムルワ(創価大4)の4人を選んだ。

 三浦は東京五輪の3000m障害で7位入賞。同種目で8分09秒92の日本記録を保持しているだけでなく、5000mで13分26秒78、10000mでも28分32秒28のタイムを持つ。昨年の関東インカレは1部1500mで優勝、同5000mでは日本人トップに輝いている。4月9日の金栗記念選抜中長距離1500mは日本歴代2位&日本人学生最高の3分36秒59で制しており、ラストのキック力は学生ナンバー1といえるだろう。5000mのタイムを本気で狙う機会があれば日本記録(13分08秒40)の更新も期待できる。

 吉居は5000m(13分25秒87)のU20日本記録保持者で10000mでも28分03秒90を持つ。一昨年は5000mで日本インカレの1年生Vを達成すると、日本選手権も3位に食い込んだ。昨年のトラックシーズンは走りがかみ合わなかったが、今年の箱根駅伝は1区を爆走。東海大・佐藤悠基(現・SGホールディングス)が保持していた伝説の記録を26秒も塗り替えており、トラックシーズンで好記録を叩き出す予感が漂っている。

 近藤の自己ベストは5000m13分34秒88、10000m28分10秒50でともに青学大記録。昨年9月の日本インカレ5000mを制すと、出雲1区で区間賞、全日本7区で区間2位、箱根2区で区間7位と大活躍した。

 10000mで27分35秒29を持つムルワは安定感のある選手。昨季は出雲3区で区間賞、箱根2区で区間2位と好走している。日本インカレは10000mで2位に入っており、日本人選手の良きライバルになりそうだ。

【次ページ】 前頭七~十枚目は?

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田澤廉
イェゴン・ヴィンセント
三浦龍司
吉居大和
近藤幸太郎
フィリップ・ムルワ
丹所健
藤本珠輝
唐澤拓海
松山和希
鈴木芽吹
石原翔太郎
井川龍人
伊豫田達弥
嶋津雄大
葛西潤
中山雄太
山谷昌也
山野力
中西大翔
中村唯翔
中倉啓敦
石田洸介
篠原倖太朗
山本歩夢
太田蒼生
吉田礼志
佐藤圭汰
山口智規
吉居駿恭
野村優作
菖蒲敦司
木村暁仁
樋口翔太
平林清澄

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