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「あの負けん気の強い男の子が…」中村憲剛を感動させた三笘薫の“W杯決定弾” 先制点の連携も「麻生グラウンドで何度も見てきた」 

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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posted2022/03/28 17:02

「あの負けん気の強い男の子が…」中村憲剛を感動させた三笘薫の“W杯決定弾” 先制点の連携も「麻生グラウンドで何度も見てきた」<Number Web> photograph by Getty Images

3月24日のオーストラリア戦で2ゴールを決め、日本をW杯に導いた三笘薫。その活躍は幼少期から同選手を知る中村憲剛氏にとっても感慨深いものだった

 出場10分強でこのインパクトです。東京五輪で悔しい思いをして、ベルギーに渡っても日本代表になかなか招集されず、彼自身はずっと期するものがあったはずです。それでも、ベルギーでコツコツと力をつけていきました。それが昨年11月のオマーン戦のパフォーマンスにつながり、今回のパフォーマンスです。圧巻としか言いようがありません。

 個人的な思いを明かせば、小さい頃からフロンターレの下部組織でプレーして、公式戦で一緒に手をつないで入場したあの負けん気の強い男の子が、十数年後に日本のW杯出場を決めるゴールを決めてくれた──深い感動がありました。

29日のベトナム戦は「新たな競争のスタート」

 最終予選の船出は苦しいものでしたが、チーム一丸となって力をつけ、W杯本大会の切符をつかみました。3月29日のベトナム戦は、W杯本大会への競争の第一歩となります。

 まずは応援し続けてくれたファン・サポーターのみなさんの前で、しっかりと勝ち切りたい試合です。それと同時に、本大会へ向けた強烈なアピールが繰り広げられるかもしれません。森保監督は色々な選手を見たいといった趣旨の話をしていますので、これまで出場機会の少なかった選手にチャンスが巡ってくる可能性があります。

 ピッチに立つ選手の誰もが、8カ月後の本大会へ向けて「存在感を示すぞ」との思いを強く抱いているでしょう。この試合で誰がインパクトを残すのか。誰がチームのために力を発揮できるか。そして、競争の第一歩目の試合で誰が爪痕を残すのか。ベトナム戦は新たな競争のスタートの試合として見たいと思いますし、森保ジャパンのここからの更なる成長と進化を、楽しみに見守っていきたいと思います。<前編から続く>

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なぜオーストラリア戦の前半は“オープンな展開”になったのか? 中村憲剛が大一番の深層に迫る「日本は成功体験に縛られていたのでは」

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