炎の一筆入魂BACK NUMBER

カープのドラ4・19歳小林樹斗が開幕ローテに入るかも!? マエケンに似た“考え方”がすごい「技術があれば精神は安定する」

posted2022/02/28 17:00

 
カープのドラ4・19歳小林樹斗が開幕ローテに入るかも!?  マエケンに似た“考え方”がすごい「技術があれば精神は安定する」<Number Web> photograph by JIJI PHOTO

チームにおいて最年少の一軍キャンプ参加者となった小林。目標は開幕ローテ入りと力強い

text by

前原淳

前原淳Jun Maehara

PROFILE

photograph by

JIJI PHOTO

 19歳の春はまだ、終わらない。広島の高卒2年目、小林樹斗は開幕ローテーション争いにしがみついている。昨年11月1日のシーズン最終戦に広島球団の高卒新人投手としては9年ぶりとなる一軍初登板初先発を果たし、今春キャンプは初の一軍帯同となっている。

 当初は「経験」に重きを置いた抜擢であり、競争の序列は低かった。キャンプイン当初、首脳陣は実戦が続く3月に入ればニ軍で調整していくことになるだろうとみていた。

何がなんでも開幕ローテ

 だが、前を走っていた先輩たちが後退していく中、一軍キャンプ参加最年少は自分が見据えたゴールに向けて走り続けた。周囲の予想を上回る結果と内容で序列を上げ、3月以降の一軍同行も勝ち取った。

「開幕ローテーションを狙います」

 キャンプから、そう口にしてきた。メディアに対してというよりも、自分自身に言い聞かせるようでもあった。

「しっかり目標を設定して、そこに向けて取り組んでいく意識で毎日やっているので、目標はどんどん口にしていいのかなと。口にすることで、いい緊張感の中で練習できるし、何がなんでもという気持ちになれる」

 明確な目標を立て、言葉にすることで意識付けを徹底する。意識が上がれば、課題や改善点が浮かび上がり、次に何をすべきかがはっきりと見えてくる。プロ1年目からそういったフィードバックが自然とできていた。

 ニ軍で初黒星を喫した昨年6月9日のウエスタン・リーグ阪神戦では、「野球人生で右打者に逆方向に(ホームランを)打たれたのは初めてだった。コントロール、球の強さが足りない」とコメント。課題を見つけるたびに、明確に何をすべきか新たなテーマを設定してきた。野球漬けの日々にも「疲労をケアしないと可動域が狭くなったりするので、同じパフォーマンスを維持するためにどうすればいいのか日々考えながらやっている」と地に足がついている。

【次ページ】 智弁和歌山・中谷監督の教え

1 2 3 NEXT
広島東洋カープ
小林樹斗
前田健太

プロ野球の前後の記事

ページトップ