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「ネイマールやルカクら難しいタイプ」操縦の秘訣とは? トゥヘルがクラブW杯制覇直後に話した真相〈PSGで苦悩→チェルシー再建〉 

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アレクシス・メヌーゲ

アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge

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posted2022/02/26 11:00

「ネイマールやルカクら難しいタイプ」操縦の秘訣とは? トゥヘルがクラブW杯制覇直後に話した真相〈PSGで苦悩→チェルシー再建〉<Number Web> photograph by Getty Images

トゥヘル監督がクラブW杯後、NumberWebの単独インタビューに応えてくれた

「まずあらためて言っておきたいのは、ケパとエドゥアールという2人のワールドクラスのGKがチームにいるのは、監督にとってとても贅沢なことだ。

 エドゥアールはアフリカ選手権が開催されたカメルーンから移動してきたばかりで、休憩が必要だったので、準決勝ではケパを選んだ。ケパは決して諦めず、常に自分を信じて練習に取り組んでいる。準決勝の先発に値する働きをしていた」

――昨年8月のUEFAスーパーカップのビジャレアル戦では、メンディが先発でしたが、延長後半終了直前にPKスペシャリストのケパを投入し、見事PK戦で勝利しました。今回もそのプランを考えていましたか?

「いや、今回は考えていなかった。なぜなら私はエドゥアールのパフォーマンスにいい感触を持っていたので、それを変えたくなかったからだ」

就任当初、具体的な目標はあえて設定しなかった

――あなたはチェルシーの監督就任からわずか1年で、CL、UEFAスーパーカップ、クラブW杯という3つのタイトルを手にしました。新しいクラブで働き始めるとき、何を大事にしていますか?

「第一にすべての選手、現場スタッフ、クラブ従業員の全員と個人的に知り合いになり、みんなを同じ船に乗せること。

 第二に選手たちがしっかりと理解できていると感じられるようになるまで、フィロソフィーと戦術を細かく説明すること。

 第三にロッカールームで異なるキャラクターが共存できる雰囲気を作ることだ」

――プレミアリーグで中位に低迷していたチェルシーを、なぜこれほど早く立て直せたのでしょうか?

「私が幸運だったのは、新しい戦術を受け入れようとする空気がロッカールームに漂っていたことだ。選手たちは私の言葉をすぐに理解し、ボールを持っているときだけでなく、ボールを失ったときに求められる動きも即座にピッチで実行してくれた。

 監督就任から2試合目(対バーンリー)であげた初勝利がいい流れを作り、選手たちの自信につながった。

 当時、1つ意識したのは、具体的な目標を設定しないことだった。なぜなら目標設定が低くなる可能性があったからだ。将来できるだけ高い目標に到達できるように、毎日限界まで力を出し切ることのみを選手たちに求めた。

 もちろんそれがこれほど大きな成功につながるとは、当時は想像していなかったけどね」

勝利しても満足感を覚えることはない

――2019-20シーズンはパリ・サンジェルマン(PSG)の監督としてCL決勝で敗れましたが、その悔しさを晴らしましたね。

【次ページ】 「選手と頻繁にアイデアを交換しているよ」

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