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なぜ岩政大樹(現コーチ)は名門・鹿島からタイに移籍したのか?「ほかのOBと比べたら、僕の色は薄く感じられるだろうと…」

posted2022/02/19 11:01

 
なぜ岩政大樹(現コーチ)は名門・鹿島からタイに移籍したのか?「ほかのOBと比べたら、僕の色は薄く感じられるだろうと…」<Number Web> photograph by Getty Images

昨年12月上旬の取材後、岩政大樹は鹿島アントラーズのトップチームコーチに就任。2月13日の「いばらきサッカーフェスティバル」では監督代行としてチームを率いた

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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 2022年、鹿島アントラーズはスイス人のレネ・ヴァイラー監督のもと再スタートを切ることとなった。しかし、国の新型コロナウィルス水際対策強化策の「外国人の新規入国停止」によって、新監督の来日時期が不透明ななか、監督代行としてチームを率いているのが、今季からトップチームのコーチに就任した岩政大樹だ。

「今日まで非常にポジティブな空気がチームに流れていて、いろんなことが上手く運んでいたと思っています。それが結果に繋がらなかったというのが、非常にいい薬になると思って見ていました」

 2月13日、2005年から毎年開催されている「いばらきサッカーフェスティバル2022」で、水戸ホーリーホックと対戦。大会史上初めての敗戦(0-1)となったあと、公式会見に臨んだ岩政はそう語った。

 国は3月1日以降の水際対策の緩和を表明し、新監督以下外国人スタッフの来日にも目途が立ったが、同時に監督不在のまま開幕を迎えることも決定した。

「ここまで冷静に1日1日を進めることが出来ているので、このままあと1週間進めていくというだけです。チームとしての決めごとと選手に任せるバランスを僕がうまく計り、選手たちを試合に送り出すことが大事だと思っている。今日は悔しい敗戦だったけれど、ここで過剰に反応し、次の試合へ向けた準備で必要のないバランスを求めてしまうと結果に繋がらないので、そこは冷静に判断したい」

 鹿島は長く強化責任者を務めた鈴木満が退任。遠藤康、レオシルバ、永木亮太などクラブを去った選手も少なくはない。クラブ創設来、多くの時間でブラジル人監督が指揮を執ってきた鹿島では、必ず日本人コーチが指揮官をサポートしてきた。近年ではクラブOBがコーチを務め、クラブの伝統やDNAを繋ぐ役割も期待されている。ジーコから連なるブラジル流のクラブが迎えた初めての欧州出身監督がその手腕を発揮できるのかという意味においても、欧州のトレンドに通じた岩政コーチの存在は鍵を握ることになるだろう。

 本稿の取材は昨年12月上旬に実施。その時点で鹿島のコーチ就任は決定前だったが、2018年の現役引退以来、指導者や解説者として築いてきた自身のキャリアを新たなステージへと移す意欲について語ってくれた。(全2回の2回目/前編へ)

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