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「メッシであることに慣れているが、無名なら…と思ったことも」メッシが語る“幼なじみ妻”アントネラと日々のルーティーン 

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posted2021/12/15 17:02

「メッシであることに慣れているが、無名なら…と思ったことも」メッシが語る“幼なじみ妻”アントネラと日々のルーティーン<Number Web> photograph by L’Équipe

パリの自宅リビングで家族と7つのトロフィーとともに撮影に応じたメッシ

――2006年に初めてCLに優勝しましたが(5月17日、2対1でアーセナルを下し、バルセロナは14年ぶり2度目の優勝を果たした)、チームメイトたちがスタッド・ド・フランスのピッチで勝利を祝っているときも、あなたはひとりでロッカールームに籠っていました。当時のあなたは18歳で、決勝の舞台でピッチに立てなかったうえに、プロとして出場した試合もまだ30ほどでした。どうして初めてのヨーロッパタイトルを祝おうとしなかったのですか?

「それに関してはとても後悔している。あのときは自分がどんな瞬間を生きているのかまったく理解していなかった。頭の中は試合に参加できなかったという思いしかなかった。少なくとも控えのベンチには座りたかった。怪我するまでは(3月8日、ラウンド16第2戦のチェルシー戦で肉離れを起こした)、僕もCLの戦いに参加していた。だから失望が大きくて……。でも喜ばなかったことは本当に後悔している。僕らはCLを獲得したのだし、次にいつ優勝できるかもわからなかった。それだけ難しい最高峰の大会だからね。ただ、その後も運よく勝つことができて、今度はちゃんと皆と祝ったよ」

――一時期はクリスティアーノ・ロナウドがリーガやCLで得点をすると、あなたが間髪を入れず次の試合で彼を上回る点をあげることがよくありました。偶然であるようにも思えないのですが、あなたはライバルの動向を気にしていたのでしょうか?

「僕はどんなときも自分を乗り越えることしか考えていない。他人がどうしているかには気が回らない。クリスティアーノとは長い間同じリーグで競争してきたが、それ自体が素晴らしかったうえに、その競争のおかげでお互いのキャリアを高めあうことができた。ただ、彼の動向をずっと意識してきたわけじゃない。僕は自分自身が絶対的な最高の存在になりたいと思ってはいるけど、それは他人と比較してのことじゃない」

7.特異性について

――ティエリ・アンリはかつてこう言いました。「ときどきメッシが人間だったらと思うよ」と。彼が何を言おうとしたかわかりますか?

「ティティ(アンリの愛称)とはロッカールームで長くともに過ごし、多くのビッグタイトルを一緒に獲得した。関係はずっと良好で、いつも僕に関して思いもよらないことを語ってくれる。彼が僕を評価してくれたからこそ、そんな言葉を発したのだと思う。彼のような人物からそんなことを言ってもらえるなんて、どう言えばいいのか……。身に余る光栄だ」

――ある科学的な研究は、あなたのことをこう表現しています。「リオネル・メッシの分析能力と問題解決能力の速さは卓越している。すべての動作において、彼はまるで時間を止めたかのように瞬時に正しい判断を下している」と。あなたは自分がそんな超能力を持っていると思いますか?

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