スポーツ名言セレクションBACK NUMBER

落合博満42歳「辞めさせたいんだろうが、オレは辞めないよ」「私と清原くんで長嶋さんの悩む顔を…」巨人・日ハムで残した《衝撃発言集》 

text by

NumberWeb編集部

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web

PROFILE

photograph byKeiji Ishikawa

posted2021/11/22 17:02

落合博満42歳「辞めさせたいんだろうが、オレは辞めないよ」「私と清原くんで長嶋さんの悩む顔を…」巨人・日ハムで残した《衝撃発言集》<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

巨人時代の落合博満。40代ながら圧倒的なバッティングセンスを見せた

 96年には8月末にデッドボールを浴びて左手首を骨折したものの、106試合に出場して打率.301、21本塁打86打点、得点圏打率.345。現代野球で強打者の指標とされる「OPS」でも.924をマークした。時代の違いはあれど、2021年セ・リーグの同成績で落合を上回るのは、鈴木誠也(1.072)と村上宗隆(.974)だけというのが、その凄まじさを物語っているだろう。

 そんな落合が、急転直下で巨人と決別したのはその年のオフだった。

 この年、FA宣言した清原和博の獲得に巨人が動いたことで、同じファーストの落合との“共存問題”が発生。なおかつフロント側が清原との交渉の際、落合の放出を示唆したとの報道に対して、落合が冒頭の言葉を発して、完全に亀裂が入ってしまったのだ。

 この緊急事態に決着がついたのは、長嶋監督と落合との直接対談だった。「3、4時間話をいたしました」という腹を割った会話によって、落合は自由契約の身になった。

 長嶋監督も並んだ退団会見で、落合はこう語った。

「監督との話の中では、どうしても清原くんと競合する。ベンチに座っている回数が多くなり、代打という形になる、ということでした。私と清原くんの問題で監督の悩む顔をこれ以上見たくない。そう言って身を引かせてもらいました」

「前のチームのことはもう忘れた(笑)」

<名言4>
年齢とともに肉体的な体力は衰えてくるけど、その苦しみに耐える精神的な体力は逆についてくるんだ。野球で悩むことを楽しめるようになるんだ。
(落合博満/Number415号 1997年3月27日発売)

◇解説◇
「前のチームのことはもう知らないよ、忘れた(笑)」

 97年2月の春季キャンプ、日本ハムのユニフォーム姿でインタビューに答えた落合は、巨人と日本ハムの違いについて問われると記者をこのようにあしらった。

 落合らしい人を食ったかのようなコメントだが、「若い選手が多くて発展途上のチームだね。やればやるほど野球を覚えていくという、ね。だから、一緒に野球をやっていて面白いよ」と新天地でのプレーに充実感を覚えていた。

【次ページ】 「毎日、野球をやる。その苦しみが始まるんだよ」

BACK 1 2 3 4 NEXT
落合博満
読売ジャイアンツ
北海道日本ハムファイターズ
松井秀喜
長嶋茂雄

プロ野球の前後の記事

ページトップ