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馬体重350kgの“超小柄なアイドル”メロディーレーンが有馬記念へ! 菊花賞馬タイトルホルダーと「夢の姉弟対決」なるか 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2021/11/06 17:02

馬体重350kgの“超小柄なアイドル”メロディーレーンが有馬記念へ! 菊花賞馬タイトルホルダーと「夢の姉弟対決」なるか<Number Web> photograph by AFLO

未勝利戦を勝ち上がった当時(写真)の馬体重は340kg。身長161cmの岩田望来騎手が大きく見える

 その小さな体で、メロディーレーンは4歳になった2020年、日経新春杯(9着)、阪神大賞典(5着)、天皇賞・春(11着)と一線級相手に戦い、5歳になった今年、1月24日に小倉芝2600mで行われた海の中道特別で3勝目をマーク。重馬場をモノともせず、2着を1馬身1/4切って捨てた。

弟が菊花賞を制した翌週に同条件のレースを快勝

 そしてこの秋、サラブレッドならではのドラマを見せる。

 10月24日、半弟のタイトルホルダー(牡3歳、父ドゥラメンテ、美浦・栗田徹厩舎)が菊花賞を制覇。菊花賞に姉と弟が出走したのは1984年のグレード制導入以降、1995年のダンスパートナー、1996年のダンスインザダーク姉弟と、このメロディーレーン、タイトルホルダー姉弟だけなのだが、どちらも姉が5着、弟が優勝という結果になったのだ。メロディーレーンのスタミナは、父系からのみならず、母系からも受け継いだものであることがわかる。

 さらに翌週、メロディーレーンは、弟が制した菊花賞と同じ阪神芝内回り3000mで行われた古都ステークスを1馬身差で快勝。「血の力」を見せつけた。

 後方から大外一気というそれまでの勝ちパターンではなく、好位から中団につけて内から抜け出すという、レースセンスを感じさせる内容だった。以前は、直線で何度も手前を替えるシーンもあったが、それもなくなるなど、レースぶりも大人になっている。騎乗した岩田望来もレース後「馬がしっかりしてきた」とコメントしている。

 前述したように、メロディーレーンは有馬記念出走を表明したのだが、弟のタイトルホルダーも、次走は有馬記念となることが発表された。

 姉弟または兄妹による同一年の有馬記念出走は、1984年のグレード制導入以降、2007年の兄ダイワメジャー(3着)、妹ダイワスカーレット(2着)、2015年の姉マリアライト(4着)、弟リアファル(16着)などの例がある。

 今年の有馬記念には、連覇を狙うクロノジェネシス、天皇賞・秋を制したエフフォーリアといった現役最強クラスの強豪が出てくる。そんななか、メロディーレーンは間違いなく、グランプリならではの「華」を添える存在になる。

 有馬記念の直線で「小さな勇姿」が躍動する様を思い浮かべるだけで、胸が高鳴る。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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