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<ギネス記録>11カ国31クラブを渡り歩いた元ウルグアイ代表セバスチャン・アブレウ44歳が引退直前に語っていたこととは 

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posted2021/08/05 17:00

<ギネス記録>11カ国31クラブを渡り歩いた元ウルグアイ代表セバスチャン・アブレウ44歳が引退直前に語っていたこととは<Number Web> photograph by AFLO

ギネス記録となる31クラブ目のスド・アメリカを最後のチームとしたアブレウ。44歳での引退だった

 ウルグアイ代表では70試合に出場し26ゴール。クラブでは750以上の公式戦に出場し401ゴール。21年はブラジル(ミナスジェライス州)のアスレチッククラブに短期間在籍(出場4試合、得点なし)した後に母国ウルグアイに戻り、今は妻や子供たちとともに生活している。

「クラブの選択をする際に、家族は最も重要な要素だ」とアブレウはいう。

「一緒に暮らしていないことに家族が不満を抱くときがいつかやってくるが、僕は幸い問題にならなかった。今も子供たちは何時に僕がプレーするのかを尋ねて、対戦相手のユニフォームをお土産に持って帰るのを楽しみにしている」

自己管理に気を使わず、制約を課さない

 続けていくために、彼は魔法のレシピを持っているわけではない。自己管理にそれほど気を使わず、さほどの制約を自らに課してはいない。

「僕が実践しているのはノーマルかつ健全なルーティーンだ。健康とパフォーマンスを維持するために食事には気をつけている。でも僕はまずひとりの人間であって、自分の職業の奴隷ではない。そう思っているから、ときに人生を楽しむことにしている。そこは賢くならないと。美味しいワインをたしなむこともあるし、冷えたビールを飲みながらアサド(バーベキュー)を食べたりもする。だが、いつでも羽目を外していいわけじゃない。それに節制の仕方は人それぞれだ。たとえばヨーグルトやレタスのサラダは、血液の研究では身体にいいとされているけど、僕には合わないからね」

 とはいえ40歳を超えた肉体が、練習や試合に日常的に臨むには多大な努力を要する。彼が用いているのが「数えあげられないほど多くの回復のための器具であり、さまざまなリンパドレナージュ」である。それにより身体から毒素を排泄し、筋肉への負担を最小限に抑えている。

「試合の翌日は、必ず自転車をこぐことにしている。オフであっても同じだ。僕は自分のやりたいようにできるわけだから」

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セバスチャン・アブレウ
スド・アメリカ

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