自分が良いと思うものを形にする、自分が面白いと思うことを実行する、となった時に、発言権がある立場でいたことは大きなプラスになった。

山崎さん：格好良くて、映えて……でないとやる意味がないと思って、押し通しました。セレッソも僕らも、"ファンとファンじゃない人の境目"を取りにいかないといけないと思うんです。実は大阪のクラフトビールのファンって、だんだんシュリンク（縮小）していっているんです。ある程度年齢も高くなってきていて……。今度、VIPルームだけに置くプレミアムなビールも作るんですが、デザインや名前以外にそういうブランディングの仕方も含めて、ちゃんと議論することができたんです。

シンハービールとも“棲み分け”している

セレッソのユニフォームにはシンハーのロゴが入っているけれど……

　ちなみに、セレッソはシンハービールがスポンサーとして最上位のトップパートナーで、ユニフォームにもロゴが入っている。それについてもクラブ側のサポートがあったのだという。

山崎さん：セレッソさんが凄く気を遣ってくれて、インポートビール枠、大手ビール枠、ローカルビール枠、みたいに分けてくれて大丈夫でした。

　その考え方は、日本においてかなり画期的だ。スポンサーになってからも、セレッソの姿勢に驚かされたという。

山崎さん：セレッソさんは"スポンサーに対して何を還せるか"を真剣に考えてくれています。ロゴがどこかに出て、チケットが何枚か送られてきて、で終わりではないんです。自分たちは資金の回収というのは気にしていなかったんですけど、セレッソさんの方が"かけてくれたスポンサー料以上に売り上げがアップしないと困ります"という感じで色々やってくださって。「ヤンマーの社員食堂で扱うようになりました！」とか「セレッソの社員の結婚式の引き出物で使いたいんですけど」とか、僕たちだけでは追いつかないくらい発注していただいて、実は知り合いの醸造所のタンクも使わせてもらったんですよ。

工場に立つ山崎さん

――クラブとともに、サポーターの反応はどうでしたか？

山崎さん：まず驚いたのは「スポンサーになってくれてありがとう！」という声がたくさんあったことです。ビールの方もポジティブな声ばかりいただけて。

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