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初めてワクチンを接種した日本人アスリート? イスラエル帰りの野瀬将平に聞いた異国の感染対策と「紛争」 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byShohei Nose

posted2021/06/01 17:00

初めてワクチンを接種した日本人アスリート? イスラエル帰りの野瀬将平に聞いた異国の感染対策と「紛争」<Number Web> photograph by Shohei Nose

ハポエル・クファルサバ(イスラエル)のチームメイトと写真に収まる野瀬将平

 正月明けの金曜日にアパートの水が出なくなったことがあったが、金曜日の日没から土曜日の日没まではユダヤ教の安息日にあたるため、修理業者は日曜日まで来られず、断水状態のまま過ごした。

 そんな不便はありながらも、それほどストレスを溜めることはなかったという。

「海外では不便や不慣れなことはつきものだと覚悟していましたし、僕はバレーをするために、自分でイスラエルに行くと決めたので。『バレーさえちゃんとできればいいや』って。コロナ禍の中で行っていたので、あまり期待はしていなかったんですけど、バレーは不自由なくさせてもらっていたので、意外とストレスはなかったですね」

 イスラエルでは、FC東京で経験したことのなかったプレーオフを初めて経験し、国内のカップ戦では決勝にも進出。そうした試合でしか経験できない緊張感やプレッシャーの中で、練習通りの力を発揮することが野瀬の1つのテーマだったが、それができた。得るものは大きかったと野瀬は言う。

「カップ戦の決勝は、結果的に負けましたが、イスラエルでのベストゲームができた。優勝がかかって、チームもかなり前のめりになっている状態の中で、いかに冷静にいつも通りやるかを意識しました。プレーオフでもプレーし、欲しかった経験はできたかなと。それに向こうは2m級の選手がゴロゴロいて、あまり精密ではないですけど迫力があって、サーブも強かったので、いい経験になりました」

今年2月にワクチンを接種

 日本では、6月1日から、東京五輪に参加する選手や指導者のワクチン接種が開始されるが、野瀬はもしかすると初めてワクチンを接種した日本人アスリートかもしれない。

 イスラエルでは昨年12月に高齢者のワクチン接種が始まり、その後、全世代にスムーズに普及した。国が、ファイザー製ワクチンの効果を検証するデータを提供する条件で、早い段階でワクチンを確保したのだという。人口が約923万人と、日本の13分の1ほどという規模もあり急速に普及した。

 野瀬も、今年2月に2度の接種を行なっていた。

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