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“大学No.1レベル”三浦龍司の順天堂と…「駒澤を脅かす」“ダークホース候補の4校”とは〈箱根路の中間テスト〉 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/06/02 11:04

“大学No.1レベル”三浦龍司の順天堂と…「駒澤を脅かす」“ダークホース候補の4校”とは〈箱根路の中間テスト〉<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

関東インカレの結果から見る今シーズンの大学の駅伝偏差値。上位強豪校を脅かす“ダークホース候補”が見えてきた

 1500mではラストで菖蒲を突き放し、2秒差をつけて3分48秒57で優勝。5000mでは、ホームストレートで千明龍之佑(早大)らを抜いて13分48秒90で留学生に次いで2位。ラストスパートのキレ味とスピードは大学ナンバー1レベルで、タイム以上に強さを印象付けた。

 本人は、「自己ベスト(1500m)といい成績(5000m)だったので、良い結果」と表情を崩していたが、他大学の監督が「昨季は速さが目立ったが、今年は強くなっている。どこまで伸びていくのか」と警戒心をあらわにしていたのも印象的だった。

 東京五輪テストイベント「READY STEADY TOKYO」男子3000m障害で日本新記録を打ち立てるなど、今年はノリに乗っている感があり、さらに勝負どころのレースでもきっちりと勝っている。昨季の箱根駅伝は1区10位と不発に終わって長い距離への対応不足が囁かれたが、今季はそんな声を封印し、本物の主役になりそうだ。

 さらに順大には、今回の関カレ組に、4月の日体大長距離記録会10000mで28分36秒90の自己ベストを更新した吉岡智輝(4年)、5月の日体大長距離記録会10000mで28分54秒47の自己ベストを出した近藤亮太(4年)など、好調を維持する上級生が加わってくる。1年生では、5000m14分08秒のタイムを持つ神谷青輝など、今後が楽しみな素材が多い。全学年に満遍なくいい選手が揃い、高いレベルで戦力をキープできている。関東インカレの活躍から今年の順大は「かなり手ごわい」という印象を与えたのは間違いない。

明大)予選会組では“ずば抜けていた”

 箱根予選会を戦うところでは、明治大学がずば抜けていた。

 1500mでは近藤亨(3年)が3分53秒31で4位入賞。大会前の日体大記録会では、3分46秒70と自己ベストを更新しており、その勢いを反映した結果になった。

 ハーフマラソンでは、小澤大輝(3年)が62分33秒で5位入賞。丸山幸輝(4年)が63分35秒で12位、漆畑瑠人(3年)が63分45秒で15位とまずまずの位置につけた。大会初日、最初のレースでの小澤の好走はチームに勢いをつける意味で非常に大きかっただろう。

 10000mでは箱根7区11位の手嶋杏丞(4年)が28分13秒70の自己ベスト更新で7位入賞。5000mでは箱根9区10位、部内トップの13分41秒74を持つ富田峻平(3年)が14分02秒41で8位、2区17位の加藤大誠(3年)が14分27秒85で20位につけるなど、トラックでの強さを改めて証明した。

 エースにふさわしい活躍をしたのが、駅伝主将の鈴木聖人(4年)だ。

 5000mでは駒大勢に一歩も引かない走りで5位入賞(13分56秒21)。10000mでは、唐澤拓海(駒大)に敗れたが自己ベストを更新するタイム(28分09秒24)で4位に入賞。「まだ個人としては弱いです」と謙遜するが、2種目でしっかりと結果を出した。昨季は全日本大学駅伝でアンカーを務め、3位入賞に貢献し、箱根駅伝では5区9位と2年連続で山上りを担った。今季も好調をキープし、駅伝主将としてチームを牽引している。

【次ページ】 予選会1位突破で本大会「トップ5」もある?

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