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「良い流れが来ているのかな」京口紘人27歳は米国で“軽量級スター”になれるか【世界的プロモーターと契約】

posted2021/03/13 06:01

 
「良い流れが来ているのかな」京口紘人27歳は米国で“軽量級スター”になれるか【世界的プロモーターと契約】<Number Web> photograph by Hiroto Kyoguchi

クセル・アラゴン・ベガ(メキシコ)との防衛戦に臨む京口紘人

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroto Kyoguchi

「少し認められたのかなという思いもあるので、嬉しくは思いますね」

 3月13日、米テキサス州ダラスで渡米初戦に臨むWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(ワタナベ)のそんな言葉は、もちろん自身に関しての話だが、実際は日本ボクシング全体に言えることなのかもしれない。

大手「マッチルームスポーツ」と契約

 昨年12月、イギリスに本拠を置き、近年はアメリカ進出も盛んな「マッチルームスポーツ」が京口との契約を電撃的に発表。2階級を制覇してきた軽量級屈指の実力派王者は、晴れて世界最高級のプロモーターの傘下選手となった。今回、DAZNによって全米生配信される興行で、アクセル・アラゴン・ベガ(メキシコ)を相手に現在保持するタイトル3度目の防衛戦に臨むことになったのである。

「日本人だと注目されないという前提がある感じが今までしてたんで、それが覆ったというか、注目されるようにもなったのかな。今までだったら考えられないようなことが、近年の日本ボクシングでは起こっていますよね。井上尚弥を筆頭にですけど、そういう良い流れが来ているのかなという思いはあります」

 実際に近年、井上尚弥(大橋)、村田諒太(帝拳)、伊藤雅雪(横浜光)といった日本のトップクラスが名門トップランクと契約し、一定以上の成果を出してきた。さらに昨年12月には、中谷正義(帝拳)がラスベガスのリングで、年間最高試合の有力候補に挙げられるほどの激闘の末に強豪フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)からKOで金星をゲット。こういった成功例のおかげで、常にトップコンディションで闘志満々の日本ボクサーに対する評価は高まっている印象がある。

 2021年以降も、トップランク、マッチルーム、ゴールデンボーイ・プロモーションズ、PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)といった大手プロモーターがこれまで以上に日本マーケットに目を向ける可能性は十分。そんな良好な流れの中で、軽量級にも力を入れるマッチルームが、ダイナミックな戦いぶりが魅力の京口に白羽の矢を立てたことは驚くべきことではないのだろう。

【次ページ】 「スーパーフライ級は現時点では現実的ではない」

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