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ディープインパクトの弥生賞に武豊は“不安”を感じていた 「このくらいのデキでどの程度通用するのか」

posted2021/03/05 17:01

 
ディープインパクトの弥生賞に武豊は“不安”を感じていた 「このくらいのデキでどの程度通用するのか」<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

弥生賞を制したディープインパクトは同賞の副称にもなったが、今年その産駒は出走しない

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 今週末の7日、弥生賞ディープインパクト記念(GII)が行われる。皐月賞(GI)と同じ中山競馬場の芝2000メートルが舞台となる前哨戦で、当然、クラシックに直結する1戦。近年でもワグネリアン(2018年2着)、マカヒキ(16年1着)、ワンアンドオンリー(14年2着)など、後のダービー馬が次々と生まれており、ここで好走出来るか否かは今後を占う意味でも重要だ。

単勝1.1倍のディープインパクトに武豊は

 そんな注目すべき一戦にディープインパクト記念の副称が冠せられたのは昨年から。ディープインパクトは言わずとしれた2005年の3冠馬で、古馬になってからも天皇賞(春)やジャパンC、有馬記念などを勝利し、引退するまでにJRAのGIを当時のタイ記録となる7勝した。今でもこの名馬を“史上最強馬”と呼ぶ人は多い。

 この史上最強馬は先述した通り05年に3冠を制すわけだが、ダービーの頃にはすでにちょっとしたフィーバーになっていた。東京競馬場には同馬のフィギュアが飾られ、当日配布されたレーシングプログラムにはポスターがおまけとして付けられた。主戦の武豊騎手は当時、苦笑しながら言っていた。

「そのポスター、何百枚にサインしたかわかりません」

 レース前の時点で皐月賞勝ちを含む4戦4勝。無敗で2冠を目指すディープインパクトは単勝1.1倍の支持を受け、さすがの天才騎手も「負けられない」と良い意味での緊張感を持っていた。

 そんな緊張を吹き飛ばしてくれたのはディープインパクト自身だった。武豊騎手はパドックで跨った瞬間に気持ちが楽になったと後に述懐している。

「過去4戦以上に良い仕上がりだと感じました。最高の状態である事が分かり、ホッとしました」

【次ページ】 「まるで新幹線に追い抜かれたような感じだったね」

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