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プレミアの“消えた天才”たちの今 素行不良でマンU→渡り鳥人生、計4年離脱した“ガラスの足首”… 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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posted2021/01/23 17:02

プレミアの“消えた天才”たちの今 素行不良でマンU→渡り鳥人生、計4年離脱した“ガラスの足首”…<Number Web> photograph by Getty Images

モリソン(左)とウィルシャーは10代の頃に受けた期待からすると、遠く離れたキャリアを歩んでいる

 1月18日、2部ボーンマスと今季終了までの契約を結んだことが発表された。ウィルシャーにとってはローンで加入していた16-17シーズン、クラブ史上最高位となるプレミアリーグ9位の大躍進に貢献して以来の復帰となる。

アルテタがガナーズに加わったのは29歳

 英『The Guardian』によれば当初ウィルシャーはアメリカのメジャーリーグ・サッカー(MLS)への移籍を検討していたが、クリスマボーンマスの練習に参加して以降、ジェイソン・ティンダル監督に感銘を与えているという。8年続いたエディ・ハウ政権が終わり、こちらもまた新たなスタートを切ったところだ。

 先日「可能性がゼロであることを知らないほどバカではないが、僕はアーセナルの男だ。アーセナルが好きだし、彼らがうまくいくのを見たい」とウィルシャーは9歳から長い時間を過ごしたアーセナル愛を語っている。

 奇しくも現監督は現役時代に5シーズンともにプレーしたミケル・アルテタだ。この発言に対し「選手として、チームメイトとして、人間として彼のことをとても高く評価しているが、今のところ(ウィルシャーが再びアーセナルでプレーする)可能性はない」と冷静に対応したが、アルテタがガナーズに加入したのは今のウィルシャーと同じ29歳の時。それから5年を過ごし、ベテランの存在が若手に与える影響は本人が一番よく知っているはずだ。

 もちろんここ数年コンスタントに稼働していないウィルシャーが完全復活する道のりは簡単ではない。しかし選手としての完成度が高いことは誰もが知っている。まずは4年前に一度、選手として息を吹き返したボーンマスから、再び挑戦だ。

まだ20代、復活しようと足掻いている

 かつて「天才」と囃されたモリソンとウィルシャー。マンチェスター・Uとアーセナルの中心選手として相まみえるという青写真は実現せず、ともに今季途中で契約解除を経験した。

 自らの行いによって、あるいは度重なる怪我によって失った時間は戻らないが、30歳を前にしてそれを取り戻そうと足掻いている。

 もし、仮にだ。ここからトップクラブに上り詰めて、自身を「悪童」とのたまったメディアを、負傷の度に「まただ!」と揶揄したライバルクラブのサポーターを見返すことができたとしたら、それこそ真の「天才」と呼べる時なのではないだろうか。

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