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巨人でやり残した“最後の宿題” 「嫌ですよ(苦笑)。すごい嫌でした」6年前に25歳菅野智之が語っていたこと 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2021/01/11 17:02

巨人でやり残した“最後の宿題”  「嫌ですよ(苦笑)。すごい嫌でした」6年前に25歳菅野智之が語っていたこと<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

交渉期限までにまとまらず巨人残留が決定した菅野智之

『スポーツ報知』によると、菅野と巨人の契約は「4年総額30億円超えでオプトアウト(契約見直し)条項込みではなく、単年契約を希望」とのことだ。なんにせよ、今季はプロ野球史上最高年俸投手としてマウンドに立つ可能性も高い。当然、周囲からの期待は今以上に大きくなり、たとえ15勝しても物足りない的な厳しい意見も増えるだろう。目指すはセ・リーグ18年振りの20勝投手か。例年以上に、もしかしたらプロ入り直後以来のシビアな視線に晒されてのプレーになるかもしれない。だからこそ、2021年の菅野智之に期待したくなるのだ。

 だって、ずっとだよ。この男は小さい頃からずっと我々には想像もできないような「タツノリの甥っ子」という重圧の中で野球をやり続け、その度に文句のない圧倒的な結果で黙らせてきた。プレッシャーはトモダチ怖くない……ってゴメン、その気持ちはかつて天才だった俺たちでも分かりようがない。現代のあらゆるエンタメの生命線は、プレーヤー側と受け手の感情の共有だが、菅野智之の魅力は「共感」じゃない。「圧倒」だ。称賛も批判も呑み込んで、見るものを圧倒してここまでやってきた。

 東京ドームの客席で、その投球に圧倒される喜びを日本の野球ファンはあと一体いくつ体験することができるだろうか?

 もし、無事に2021年のプロ野球が開幕できたら、個人的に決めていることがある。ジャイアンツのグッズショップで、今度はミズノ製のユニホームを買おうと思うのだ。

 真新しい、18番のユニホームを。

 See you baseball freak……

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