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磐田、新3バックで「6点」は追い風。
好調のエース小川航基ら役者もいる。 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/08/30 08:00

磐田、新3バックで「6点」は追い風。好調のエース小川航基ら役者もいる。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

今季6ゴールをマークし、J2得点ランク4位タイにつける小川航基。「決められるチャンスはあった」と貪欲な姿勢を見せている。

“可能性”を感じた泥臭いゴール。

 それでも、今季の小川はFWとして違った一面も見せている。金沢に大勝する2節前の第12節ホームのジェフユナイテッド千葉戦だった。

 1点ビハインドで迎えた前半28分、相手のバックパスに詰め寄ると、その鋭い寄せで処理を焦った相手GKがクリアしたボールは、小川の足に当たってそのままゴールイン。

 小川は「(相手GKに)プレッシャーをかけるのはFWの基本」としたが、これまで豪快かつ華麗なゴールで魅了してきたエースが見せた泥臭いゴールは、FWとして今後の可能性を高めた一発だった。

フベロ監督も期待する中野誠也。

 だが、そんなエースを持ってしても安泰でないほど、磐田の攻撃陣は好調だ。

 2トップを組むことが多いルキアンに加え、途中出場からビッグチャンスを演出する今季加入のルリーニャもいる。そして評価を急上昇させているのが、磐田ユース出身で大学を経て加入した3年目の中野だ。昨季はレンタル移籍先のファジアーノ岡山でプレーしたが、左膝前十字靭帯損傷で長期離脱。リハビリ中の今季、磐田に復帰した。

 厳しいリハビリを経て、7月19日の第6節ギラヴァンツ北九州戦には復帰後2戦目となる途中出場で、得意の鋭い裏への抜け出しから「何が何でもという思いで、気持ちで決めた」先制弾だった。その後も、少ない出場時間の中で現在3得点まで積み上げ、徐々に存在感を高めている。

 フェルナンド・フベロ監督は「裏への抜け出し方がうまく、決定力もある」と中野を高く評価。小川も「自分にないものを持っている。それを盗んでいきたい」とリスペクトしており、熾烈なポジション争いの中でJ1昇格というチームの今季最大目標達成を狙う。

【次ページ】 3バック変更2試合目で「6点」。

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