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通算600勝よりも意識した599勝目。
栗山監督が根本陸夫から学んだもの。 

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高山通史

高山通史Michifumi Takayama

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photograph byKyodo News

posted2020/08/30 09:00

通算600勝よりも意識した599勝目。栗山監督が根本陸夫から学んだもの。<Number Web> photograph by Kyodo News

8月15日ロッテ戦で監督通算600勝を達成した日本ハム・栗山監督。

「球界の寝業師」と呼ばれた根本氏。

 目標としていた「根本さん」とは、根本陸夫氏である。

 編成トップの豪腕フロントマンとして、4球団で通算598勝を刻んだ指揮官として、数々の逸話を持つ。「球界の寝業師」や「フィクサー」などの異名を取った、伝説の野球人である。

 根本氏の監督としての通算勝利数を何かの報道で目にして以来、頭の片隅に「598」を刻んでいた。栗山監督は600勝を挙げる3日前、599勝に到達した。記念星をつかんだその日、故人に心の中で手を合わせていたのである。

吉村GM「根本陸夫になりませんか」

 9シーズンもの長期政権となる激務へと身を投じることになった起点の1つが「根本さん」である。

 スポーツキャスターなどに軸足を置いて活動していた2011年。吉村浩ゼネラルマネジャー(GM)から、北海道日本ハムファイターズ監督就任のオファーを受けた。心の琴線に触れ、深く脳裏に刻まれている言葉がある。

「根本陸夫になりませんか」

 吉村GMからのオファーを受諾する1つの動機となったキラーワードだった。現役引退から21年間貫いてきたメディアとしての活動に、一区切りをつけたのである。それまでの間、コーチなど多数のオファーが他球団からもあったというが、頑なに球界へはカムバックはしなかった。

 長いブランクを経て、再びユニホームに袖を通して挑戦する決断を下した時にも「根本さん」の影が、あったのだ。

【次ページ】 面識がない中でもらったオファー。

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