Beyond The GameBACK NUMBER

常識と非常識の境界線を打ち破れ。
~原監督の最大の敵は固定観念~

posted2020/08/30 15:00

 
常識と非常識の境界線を打ち破れ。~原監督の最大の敵は固定観念~<Number Web> photograph by KYODO

監督としての通算勝星で長嶋越えを果たした原。視線はリーグ連覇の先にある。

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

PROFILE

photograph by

KYODO

 常識と非常識の境界線はどこにあるのか?

「私はブックベースボールはしない」

 こう語って常識的なセオリー野球を拒否したのは、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督だった。

 1977年4月19日に甲子園球場で行われた阪神対巨人戦。2対3と巨人が1点を追う9回2死から土井正三が出塁すると、長嶋監督はすかさず代走にルーキーの松本匡史を送った。そして次打者・山本功児の2球目に松本が二盗に成功。直後の山本の中前適時打で同点に追いついた。

 しかし当時はV9野球の流れを汲んで、とにかく手堅くソツのない野球と采配が評価される時代だった。その中で盗塁を失敗すればゲームセットという作戦は、非常識なギャンブル的采配として非難され、そういう長嶋の野球は“カンピューター野球”と揶揄された。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 926文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

読売ジャイアンツ
長嶋茂雄
原辰徳
増田大貴

プロ野球の前後の記事

ページトップ