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各成績で2000年代ベスト9を選ぶと。
赤星に小笠原&松中。エースは誰? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKoji Asakura

posted2020/06/29 08:00

各成績で2000年代ベスト9を選ぶと。赤星に小笠原&松中。エースは誰?<Number Web> photograph by Koji Asakura

そのスピードはまさに“赤い彗星”だった赤星憲広にパ最強打者・小笠原道大。2000年代のスーパースターは個性派が多かった。

様々な成績からベストナインを選ぶと。

【ベストナイン】
〇先発投手 3人
 松坂大輔92勝55敗 率3.00
 杉内俊哉79勝41敗 率2.97
 上原浩治92勝58敗 率3.14

〇セットアッパー
 Jウィリアムス
 16勝17敗47セーブ141ホールド率2.20

〇クローザー
 岩瀬仁紀
 39勝29敗233セーブ16ホールド率2.11

 勝利数では西口だが防御率は4.03。投球の精度では先発はこの3人だろう。セットアッパー、クローザーも文句なしのはず。

三冠王・松中を外すわけには……。

〇捕手
 阿部慎之助(巨人)
 1078安 204本 632点 11盗 率.285

 阪神の矢野輝弘(1004安92本 率.278)や横浜-中日の谷繁元信(962安129本 率.241)ヤクルトの古田敦也(814安90本 率.292)もいるが、打撃成績では阿部が抜きんでている。打撃だけならダイエーの城島健司(807安159本 率.306)も捨てがたいがMLBに挑戦したので実働6年だけだった。


〇一塁手
 松中信彦
 1459安 299本 991点 17盗 率.306

 2004年の三冠王を外すわけにはいかないだろう。本塁打だけならカブレラ(1157安 322本 率.308)が上だが、打点、安打は松中が上。ロッテの福浦和也(1321安87本 率.298)は長打で及ばない。

〇二塁手
 荒木雅博
 1202安 23本 292点 259盗 率.275

 長打だけなら巨人の仁志敏久(1114安117本 率.266)の方が上だ。また、広島の東出輝裕(980安 11本 率.271)も10年間活躍した。しかし守備力も含めた総合的な面で荒木とする。

〇三塁手
 小笠原道大
 1629安 311本 922点 56盗 率.323

 筆者は、この10年の最強打者は小笠原だと思う。両リーグMVPを獲得するなど数字・実績両面で圧倒的だった。広島ー阪神の新井貴浩(1223安 210本 率.280)、ダイエーー巨人ーソフトバンクの小久保裕紀(1178安 264本 率.281)、近鉄ーオリックスーMLBー中日―楽天の中村紀洋(1049安 227本 率.275)などもいるが、小笠原の方が上回っているだろう。

〇遊撃手
井端弘和
1444安 48本 375点 135盗 率.291

 2000年代、遊撃手は空前の豊作だった。ヤクルトの宮本慎也(1299安 49本 率.290)、横浜-広島の石井琢朗(1296安 62本 率.275)、巨人-日本ハムの二岡智宏(1045安 143本 率.283)、ダイエー・ソフトバンクの川崎宗則(992安 22本 率.295)、日本ハムの金子誠(961安 53本 率.255)、2010年代にも登場する鳥谷敬(831安 70本 率.279)とベストナイン級の選手が目白押しだ。

 しかし井端は安打数が最多なだけでなく、守備機会も圧倒的に多い。また二塁・荒木との伝説の「アライバコンビ」を考えても井端にしたい。

【次ページ】 外野手の3人、打順を組むと?

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赤星憲広
井端弘和
小笠原道大
松中信彦
ローズ
金本知憲
ラミレス
阿部慎之助
荒木雅博
青木宣親
松坂大輔
上原浩治
アレックス・カブレラ
西口文也
三浦大輔
岩瀬仁紀
杉内俊哉

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