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クルピのセレッソ愛と才能育成論。
「香川、乾、柿谷の成功は……」 

text by

沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2020/01/02 11:50

クルピのセレッソ愛と才能育成論。「香川、乾、柿谷の成功は……」<Number Web> photograph by Getty Images

香川真司、乾貴士、清武弘嗣、柿谷曜一朗……これほどまでセレッソでアタッカーが育ったのはクルピがいたからこそである。

日本のフットボールへの提言。

――2019年4月にアトレチコ・ミネイロを退団し、このほど監督業からの引退を発表しました。その理由は?

クルピ「近年、ブラジルのクラブから不本意な形で解任されることが増え、嫌気が差していた。34年も監督をやってきたので、もう十分だと思った」

――日本のフットボールへの提言をお願いできますか?

クルピ「基本的には、正しい軌道に乗っていると思う。下部組織での選手育成に一層力を注ぎ、Jリーグのレベルをさらに高め、欧州や日本のクラブにさらに多くの選手を送り出してほしい。

 選手には、大きな夢を持ち、自分を信じて効果的な努力を積み重ねてもらいたい。自分で課題を見つけ、その解決方法も自分で探し出すのが理想だ。シンジ、タクミ(南野)のように、欧州で成功している選手は、皆、良く考えている。

 日本人選手にはアフリカ人選手のようなフィジカル能力や南米選手のようなテクニックや意外性はないかもしれないが、戦術理解能力が高く、規律があり、地道に努力を重ねることができる才能と賢さがある。この強みを存分に発揮すれば、日本人選手も日本代表もさらに高いレベルに到達できる」

――現在、66歳。人生はまだまだ続きます。今後、何をして毎日を過ごすつもりですか?

クルピ「妻と旅行をしたり、2人の孫と遊んだりして、ゆっくり過ごしたい。1人の旅行者として日本へも行って、友人と会いたいね」

「自分でもそこが心配なんだ」

「フットボールに未練はない」と言いながらも、「でも、これからフットボールなしで生きてゆけるんですか」と問うと、「うーん、実は自分でもそこが心配なんだ」と正直に打ち明ける。

 ブラジルで、そして日本で、大好きなフットボールを通して人生を切り開き、人々に喜びを与え、また自身も楽しんできた。そのことに対する大いなる誇りが、長時間、話を聞いていて確かに伝わってきた。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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