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ファンタジスタ松井大輔が明かす
南アW杯、駒野&阿部との涙と絆。 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byYuki Suenaga

posted2019/09/02 17:00

ファンタジスタ松井大輔が明かす南アW杯、駒野&阿部との涙と絆。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

38歳ながら横浜FCで欠かせない戦力の松井大輔。谷間の世代のファンタジスタは渋みを増し続けている。

リベロ、おもしろかったです(笑)。

 年齢を重ねるなかでは、自然とプレースタイルにも変化が生まれてきた。

「32歳くらいから、自分でドリブルしていくとか、個人の能力で局面を打開していくとか、自分ひとりではできないことが多くなってきた。そうなると、やっぱり考える力が必要になってくる。そこでまた、サッカー選手としての違う人生が始まった、みたいな感じです」

 かつては、マークする相手をもてあそぶことに楽しみを見出していたかのようなファンタジスタが、今ではボランチやリベロを務めることまである。

「僕がリベロっていうのは、サッカー界ではちょっと話題になったんで、おもしろかったですね(笑)。ホントはそれがずっと続いて、横浜FCにまた違うサッカーが生まれていたら、よかったんですけど」

 松井はそう言ってニヤリと笑うと、「難しかったですね、やっぱり」とつけ加えた。

 しかし、さすがにリベロはともかく、背番号22が中盤の底でパスをさばく姿は、もはやニッパツ三ツ沢球技場では当たり前の光景になりつつある。

「おもしろいサッカー人生を歩ませてもらっているなって思います。僕は純粋にサッカーを楽しみたいし、今が一番楽しいです」

 プレースタイルは変わった。意識も変わった。

 だが、今も松井は、恐らく谷間の世代を引っ張る存在であり続けている。そのことだけは、20年前からずっと変わってはいない。
 

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