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明徳・馬淵節が甲子園に帰ってきた。
「パンツびっちゃんこやったわ」 

text by

中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byKyodo News

posted2019/08/08 16:30

明徳・馬淵節が甲子園に帰ってきた。「パンツびっちゃんこやったわ」<Number Web> photograph by Kyodo News

1990年に明徳義塾高校の野球部監督になってから29年。昨夏は高知商に敗れて夏の甲子園に出場できなかった。

「パッとひらめいた」9回の継投。

 左打者にスライダーを投げても、真ん中から外に逃げるのではなく、肩口から真ん中に入ってくる甘いスライダーが目立った。

「だから、左にはみんな引っ張れって。打ちやすかったですね」

 6回、高田の代わり端を攻め、3安打を集中させ大量4点を挙げた。

 カンも冴えた。最終回、ブルペンに目をやると、2年生左腕の新地智也がいいボールを放っていた。

「パッとひらめいた。最後は、新地がいいやろうと」

 新地は味方のエラーなどで一、二塁と走者を許したものの、落ち着いて締めくくった。

最年長63歳、気力はまだ衰えない。

 63歳という年齢は、出場監督の中で最年長。だが、気力はまだまだ衰えていない。猛暑の中でも、試合中、暑さはまったく気にならなかったという。

「ただ、試合終わったら、パンツまでびっちゃんこやったわ」

 昨年夏、続いていた連続出場記録が8年で途絶えた。2年振りの甲子園に、思わずこんな冗談がもれた。

「甲子園は何度来てもええな。最近、来てなかったから」

 イメージした通りの「勝利」の完成を前に、馬淵節は最後まで全開だった。

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