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五輪銅メダリスト・ワグナーも告発。
性的虐待問題に揺れる米スケート界。 

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byAsami Enomoto

posted2019/08/12 11:40

五輪銅メダリスト・ワグナーも告発。性的虐待問題に揺れる米スケート界。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

2014年ソチ五輪団体戦銅メダル、2016年世界選手権2位、2012年四大陸選手権優勝などの実績があるワグナー。

ワグナーが17歳、コフリンは22歳だった。

 そして8月1日、2016年世界選手権女子銀メダリストのアシュリー・ワグナーがUSトゥデイに、彼女自身もコフリンから性的虐待を受けたことを告白した。

 彼女によると、それは2008年のコロラドでの合宿中だったという。ワグナーは17歳、コフリンは22歳だった。

 当時ワグナーは地元出身のスケーターに誘われて、ホームパーティーに参加。仲間はずれになりたくなくて、その夜は初めて飲酒も試したのだという。車でホテルに連れて帰ってくれる人が見つからず、その家に泊まることになった。その夜中、コフリンが彼女のベッドに忍んで来たのだという。

ワグナーの告白。

「何が起きてるのか理解できず、私は身動きしませんでした。彼はただ寝る場所が必要なのだと思ったので。でも彼が首にキスをしはじめたとき、私はそのうちやめてくれるだろうと願って眠っているふりを続けました。でも彼はやめなかった。身体を触られはじめたとき、私は目を覚ましたらやめるだろうかと身動きをしてみました。でも彼はやめなかった。(中略)私は決意をしなくてはなりませんでした。それで目を開けて彼の手を押さえ、『やめて』と言ったのです。彼は私の顔を数秒眺めて、静かに部屋を出て行きました。わずか数分の出来事だったけれど、それから長い間この体験は私を苦しめました」

デートレイプ被害者に共通する思い。

 このワグナーの告白に対し、「なぜ今になって」という声もある。

 だがワグナーは、当時まだシニアとして競技で活動しはじめたばかりで、「問題を起こす子だと思われたくなかった」また「誰も信じてくれると思えなかった」「彼は誰からも好かれていたし、私自身もそれまで好感を持っていました」と説明している。

 これは多くのデートレイプの被害者にも共通する思いではないだろうか。

 だが少なくともコフリンはワグナーに拒絶されたら行為を中断し、黙って部屋を出て行った。

【次ページ】 サポートの必要性を訴えた。

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アシュリー・ワグナー

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