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オランダ2部ベスト11から1部移籍!
ウェルメスケルケン・際が語る野心。
 

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菊池康平

菊池康平Kohei Kikuchi

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photograph byKohei Kikuchi

posted2019/07/20 17:00

オランダ2部ベスト11から1部移籍!ウェルメスケルケン・際が語る野心。<Number Web> photograph by Kohei Kikuchi

帰国時に取材に応じてくれたファン・ウェルメスケルケン・際。サイドバックとして進境著しい。

中山という日本人チームメイト。

 8月2日の開幕戦に向けて、調整のピッチは上がっている。2部練習、1週間に練習試合が2つも組まれるなど、タイトなメニューをこなしている。

「7月16日の練習試合には75~80分くらい出場しました。他の選手に比べて合流が遅かったので、確認やコンディション調整の意味も含めて長めに出たんだと思います。プレースタイルはカンブールとは当然ながら違う部分もあり、役割も変わりますが、自分には合っているやり方だと思います。もっとすり合わせて自分のものにして開幕戦を迎えたいです」

 今回の加入では1つ、新鮮な感覚がある。中山がチームメートにいることだ。際にとって、海外に渡ってから日本人のチームメートがいるのは初めてとなる。

「チームメートに日本人がいるのは本当に不思議な感覚です。今までのチームメイトとのコミュニケーションの取り方と全く変わらないですが、その延長線上に日本語を使って話すチームメイトがいるという感じです。雄太(中山)は人が良いですし、他の選手とコミュニケーションがしっかりとれていますよ」

 同じ日本の文化で育ってきた中山とは公私ともに話ができるので、リフレッシュできる部分があるという。言語面やオランダでの経験が長い際は、中山から頼られていないのか気になった。

「言語の面で聞かれて答えることはありますが、雄太もオランダで約半年プレーしていますので自立していますよ。

 僕も言語に関しては初めは苦労しましたし、時間もかかりましたが、同じプロセスを雄太も歩んでいると思うので、変に僕が何でもかんでも日本語で教えたら逆効果ですので。その部分は彼自身もわかっていて勉強熱心ですし、自分からアクションをとれているので、僕が何かすることは特にないですよ」

オランダ語での意思疎通も問題なし。

 練習中を含めてオランダ語が飛び交っている。そこでのコミュニケーション術も慣れている。

「なるべくオランダ語で話し、分からない部分は英語で話しています。もし外国人が日本語を話してくれたら嬉しいじゃないですか。懐に入りやすいというかそういう部分はあるので。

 チームメイトから日本の食や文化のことを聞かれますよ。『寿司、作れるのか?』、『アニメのNARUTOを知ってるか?』などは聞かれましたしね。日本には興味を持っているみたいです。

 気負いや緊張感を感じずに、すんなり入れていけました。1部に帰ってきたというよりは『さあやろう!』という感じです。緊張感よりも『早く自分の実力を示したいな』という気持ちが、思った以上に強い。そのことが、この1週間でのいい驚きでしたし、発見でした」

【次ページ】 チームを指揮するサイドバックに。

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ファン・ウェルメスケルケン・際

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