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CL優勝で「クロップ帝国」時代誕生。
リバプールは成長の余地が大きすぎ。

posted2019/06/10 10:30

 
CL優勝で「クロップ帝国」時代誕生。リバプールは成長の余地が大きすぎ。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

CL制覇後、リバプールの地に戻ってご機嫌のクロップ監督。リバプールは来シーズン以降も成長を遂げていきそうだ。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 2019年6月1日。リバプールが今季のCL決勝でトッテナムを2-0で下したこの日は、言うなれば「クロップ帝国」の建国記念日だ。

 ボルシア・ドルトムントを率いて名声を手にしたドイツ人監督の就任は4年前、2015年10月のこと。ユルゲン・クロップ自身は、リバプールの「元首」と呼べる存在だった。

 2014-15シーズン終了後、長らくクラブの顔にして魂でもあったスティーブン・ジェラードが移籍。2013-14シーズンに5年ぶりとなるトップ4入りを実現したブレンダン・ロジャーズも、監督の座を追われていた。

 そんなチームに対して、関係者とファンが希望を持ち続けることができたのは、後任がクロップだったからに違いない。

リバプールのタイトルは7年ぶり。

 プレッシングを効かせた攻守に積極的なスタイルを身上とし、ブンデスリーガではバイエルン・ミュンヘンの牙城を崩し、ドルトムントをCL決勝に導いた実績の持ち主。笑顔を絶やさず、カリスマ性も溢れる人間的な魅力も備えていた。

 就任1シーズン目を終えて結んだ6年契約にしても、前任地のドルトムントと、その前のマインツで7年ずつ指揮を執った人物だけに説得力があった。

「この男についていけば間違いない」と思わせる監督。それがクロップだった。

 しかし、当時のリバプールは「制圧」や「支配」という言葉は似つかわしくないチームだった。今回のCL優勝が通算6度目と聞けば、常に強豪であり続けたようにも感じられるが、実際のところタイトル獲得は2011-12シーズンのリーグカップ優勝以来7年ぶりである。

 その前のタイトルも2005-06シーズンのFAカップ優勝で、国内リーグでは1989-90シーズンを最後に優勝から遠ざかっている。

【次ページ】 無冠状態が続いていたクロップ。

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