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大学時代から「風間イズム」を知る男。
点取り屋・赤崎秀平は名古屋で輝くか。 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2019/05/12 08:00

大学時代から「風間イズム」を知る男。点取り屋・赤崎秀平は名古屋で輝くか。<Number Web> photograph by Takahito Ando

第10節時点、すでにリーグ戦3得点をマークする赤崎秀平。チーム内ではエースのジョーに次ぐ数字だ。

ポジションは保障されていない。

「風間さんからは『連続で動き続けろ。そこで自分が好きな角度、タイミングでシュートを打て』と言われています。今、僕はアーリアくんとポジションを争っている形になっていますが、いつまでも『ジョーを生かすためのアーリアくんと僕の勝負』ではダメだと思っています。『ジョーの片割れ』ではなく、僕がジョーのポジションを奪いに行かないといけない。それくらいの気持ちでやらないと成長しないし、上を目指せない。

 だからこそ、今は僕がジョーにも点を取らせて、自分も点を取るか、圧倒的に自分が点を取るかの2つが1番の解決策。チャンスがきたら証明し続けるしかないんです。そう思える今の環境には心から感謝をしています」

 風間監督の下に来たからこそ、ポジションが保証されているわけではない。むしろ進化した風間監督や名古屋のサッカーについていけなければ、置いていかれるだけ。そこに甘える余地や担保があるとは赤崎自身も一切思っていない。

「今は本当にサッカーが面白い」

「風間さんは先月よりも今月、今月よりも来月と、日々進化しているので、そこについていくのに僕も含めて、みんなが必死なんです。懐かしい部分と新しい部分が混在して、さらに変わらない驚きもあって、今は本当にサッカーが面白いと心から思えています。

 実際に今年の開幕戦と湘南戦を見比べたら分かると思うのですが、やっていることが進化しているんです。全体の連動にしても、局面の打開にしても、『次の段階』に進んでいる。今は全員が点を獲ろうとしているし、風間さんは良く『システム11』と言うけど、11人全員がストライカーであり、ディフェンダーであることを体現している。CBの選手がこれだけアシストして、中にも入っていくのがその証拠で、それをみんなが理解して表現するようになったと思います。今の名古屋の成績は何ら不思議なことではないと思っています。

 だからこそ、僕はこの進化する風間監督、名古屋の中で常に必要な選手としてテーブルに乗り続けないといけないんです。風間さんの手持ちのカードに入り続けて、最後にFWで一番上にいるようにやっています」

 恩師の下で研ぎ澄まされていく獰猛な牙。そして今だからこそ、ずっと抱き続けていたコンプレックスに向き合うことができる。

【次ページ】 「風間さんが世に誇れる存在に」

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