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磐田vs.清水のダービーは大熱戦も
静岡サッカー甦生への道は、まだ先。 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/04/15 16:30

磐田vs.清水のダービーは大熱戦も静岡サッカー甦生への道は、まだ先。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

激しいゲームとなった静岡ダービー。今季初勝利をあげた清水の選手たちの中には涙を流す選手もいた。

北川航也の追加点、追い込まれた磐田。

 ベテランの先制ゴールに続いたのは、昨年10月に初の日本代表入りを果たした新エースのFW北川航也だ。1-0で迎えた後半13分、今季新加入の清水MF中村慶太が「相手は前半から横パスが合っていなかった」と相手のミスパスを狙い、DFの裏に抜けた北川に絶妙スルーパス。「GKの位置もしっかりと見えた」とエースが難なく左足で追加点を決め、清水がさらに優位に立った。

 しかし、ホームの磐田もこのままでは終われない。

 というのも、前回のリーグ戦対決となった昨年10月は、ミスからの失点を皮切りに清水のホームで1-5と大敗。この屈辱の敗戦を含む得失点差が最後まで尾を引き、昇格プレーオフを制してようやく残留を決めただけに、「あの大敗を払拭する一戦に」と名波浩監督らチームが一丸となって勝利を掴みに臨んだ大一番だったのだ。

 チャンスは、選手交代から生まれる。後半8分にルクセンブルク出身選手として初のJリーガーとなった同国代表FWロドリゲスを、さらに同18分には2点目を献上するパスミスをしたMF山田大記に代えてトルコ出身のDFエレンを投入。迎えた同26分、そのエレンの左クロスをロドリゲスが頭で合わせ、1点差。磐田の反撃が始まった。

 その後も敵陣まで深く押し込む時間帯が続いた磐田だったが、体を張って守る清水DF陣の前になかなか得点を奪えない。一進一退の攻防が続くも、反撃はここまで。49回目の静岡ダービーは、アウェーの清水が2-1で制した。

ダービーでエコパを満員に。

 試合途中から降りだした雨の中、必死に応援を続けるサポーターの姿を見た地元放送局の関係者はこう話す。

「人気や注目度がやや下火になったとも言われているが、スタンドの皆さんの熱はやっぱり静岡ダービー。地元のためにも、この熱が冷めないようなダービーを続けなければいけない。できれば、ここが常に満員になるような注目の試合にしたい」

 最大5万人を集客可能なスタンドの空席にも目を向けた。

【次ページ】 ミスが勝敗を分けた静岡ダービー。

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