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安西幸輝に昌子源が「羨ましい」。
代表デビューで得たのは成長の種。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2019/03/28 11:15

安西幸輝に昌子源が「羨ましい」。代表デビューで得たのは成長の種。<Number Web> photograph by AFLO

代表のサイドバックは、右の酒井宏樹、左の長友佑都をのぞけば横一線。安西幸輝は鹿島の伝統に名を連ねられるか。

鹿島のサイドバックは代表に入る。

 小学生時代から東京ヴェルディで育った安西は、サイドバックを主戦場としつつ、その攻撃力を活かしてサイドMFで起用されることもあるユーティリティ選手だ。ヴェルディでは順調にステップアップし、2014年にトップチームに昇格するとレギュラーに定着。しかし、世代別日本代表で活躍するには至らなかった。

 それでも、安西のもとには複数のJ1クラブからオファーが届いた。そして、2018年に鹿島アントラーズに移籍。強豪クラブというだけでなく、鹿島は数多くの代表選手を輩出している。サイドバックに至っては名良橋晃、相馬直樹から始まり、内田篤人、新井場徹(候補)、山本脩斗、西大伍とほとんどの選手が代表入りを果たしている。

想像の場所だった代表が、現実に。

「日本代表の選手からポジションを獲れば、僕にも日本代表が見えてくる」

 鹿島加入時の安西の言葉は1年後に実現した。

「鹿島へ来て最初の半年間は、たくさん試合に使ってもらった。アジアへ行ったり外国人選手と戦ったり、しかも中3日ですぐにゲームがきたりして本当に頭が疲れた。でも、後半戦は先発出場機会が減った。ヴェルディではずっとレギュラーが当然という環境だったけど、鹿島ではそういうわけにはいかない。その悔しさは大きかった」

 そして今回、長友や酒井宏樹といった主力組が不在での代表招集を受けた。内田篤人からは「見てきた方がいい」と声をかけられた。たとえ試合に出られなくとも、代表での時間を味わい尽くしたかった。しかし実際は招集初戦で途中出場し、第2戦では先発。一気に高いステージに立たされた。

 1年前に「代表が見えてくる」と語ったとき、「日本代表」はまだ想像上の場所だったはずだ。けれど今の安西にとって、「代表」は、自身に不可欠な存在になろうとしている。心境の変化には、昨年末のクラブW杯の経験が影響している。

【次ページ】 「代表やW杯は見るものだと思ってました」

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